【保存版】小さな会社でも導入できる!生成AI導入第1ステップ~ 業務の棚卸しとAI活用法~

こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。

  • クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
  • お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
  • 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
  • 経営理念策定と浸透・経営理念に基づく人事考課制度策定のご支援
  • 補助金・助成金の活用に向けた「申請・計画作成」の助言

といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。

経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。

本日は「小さな会社でも導入できる!生成AI導入ステップと実践活用法」と言うテーマの中身!
~ 業務の棚卸しとAI活用法~というテーマで書いていきたいと思います。
デジタル化をやるぞ!AIを導入するぞ!と社長は言うけれど、具体的に何に対してデジタル化?AI活用?と現場の方は言いたくなることがあるかと思います。
そこで、まずどのような業務がめんどくさいのか?などを整理して本当に効果が出そうかをかんがえないといけません。そこでまずは「業務の棚卸」をしましょう!という話です。
ただし、これも社長や上司が「業務の棚卸やっとけ!」ではダメです。きちんと研修などを通じて時間をとって行いましょう。と言いたい。研修講師として・・・

はじめに

「生成AIを導入したいけれど、何から始めたらいいか分からない」
こうした声を、製造業や建設業など中小企業の経営者の方からよく耳にします。

最新の生成AI(ChatGPT、Copilot、Gemini など)は、資料作成や顧客対応、業務効率化に大きな力を発揮します。しかし、闇雲に導入しても効果が出ないケースが多いのも事実です。

そこで重要なのが 業務の棚卸し です。
第1ステップとして、まずは自社の業務を洗い出し、「どの業務にAIを適用すべきか」「どの業務を自動化すべきか」を明確にすることが、成果につながるDX・AI活用の出発点となります。

本記事では、

  • 業務棚卸しの具体的なやり方
  • 生成AIを活用した業務棚卸しの方法
  • 経営者ヒアリング用の長文プロンプト例

を分かりやすく解説します。


1. なぜ「業務の棚卸し」が必要なのか?

中小企業の現場では、「忙しい」「人が足りない」「生産性を上げたい」という声が多く聞かれます。
しかし実際にどの業務をAIに任せれば効果的なのかを整理できていないケースがほとんどです。

棚卸しの目的は大きく3つです:

  1. 業務を見える化する
    → 日々の仕事を洗い出し、どこに時間がかかっているかを明確にする。
  2. 優先度をつける
    → 重要だが時間がかかる業務、繰り返しが多い業務、属人化している業務を見極める。
  3. AI導入のターゲットを絞る
    → 全ての業務をAI化する必要はない。効果が大きく、導入しやすい領域から始める。

つまり「業務棚卸し=AI導入の地図作り」と言えます。


2. 業務棚卸しの基本手順

実際に業務を洗い出す際は、次のステップで整理すると効率的です。

(1) 業務をリストアップする

  • 部署ごと、担当者ごとに日常業務をすべて書き出す。
  • 「営業」「事務処理」「顧客対応」「生産管理」「経理」などのカテゴリに分ける。
  • 小さな作業(例:請求書の印刷・封入、メール返信、社内報告書作成)まで書き出す。

(2) 業務量を数値化する

  • 各業務にかかる**時間(1回あたりの所要時間、月間合計時間)**を記録。
  • 可能であれば、件数・人数・発生頻度を合わせて書く。

例:

  • 見積書作成 → 1件30分 × 月30件 = 月15時間
  • 出張報告書作成 → 1件20分 × 月20件 = 月6時間40分

(3) 業務を分類する

  • 付加価値を生む業務(例:営業提案、顧客対応)
  • ルーチン業務(例:日報入力、経費精算、在庫管理)
  • 属人化している業務(特定の人しかできない作業)

この分類を行うことで、AI導入の優先度を見極めやすくなります。

(4) 課題を整理する

  • 「時間がかかりすぎる業務」
  • 「人手不足で滞る業務」
  • 「品質が人によってバラつく業務」

これらはAI導入の効果が出やすいポイントです。


3. 生成AIを使った業務棚卸しの方法

「業務をリストアップする」といっても、日々の作業を思い出して書き出すのは大変です。
そこで役立つのが 生成AIを使った業務棚卸しの支援 です。

(1) 日報を活用する

もし社員が日報を残しているなら、その文章をAIに読み込ませて次のように指示します。

プロンプト例

あなたは経営コンサルタントです。以下は当社の営業日報です。  
この日報から「どのような業務に時間を使っているか」を抽出し、  
業務カテゴリごとに整理してください。  
また、時間がかかっている業務や、AIで効率化できそうな業務があれば指摘してください。  

【日報】  
---
○月○日 営業部  
・午前:A社訪問、提案書の説明(2時間)  
・午後:見積作成(3件、各30分)、社内会議(1時間)、メール対応(1時間半)  
---

AIはこの情報をもとに、以下のように出力してくれます。

  • 営業活動:A社訪問(2時間)
  • 資料作成:見積作成(1.5時間)
  • 社内業務:会議(1時間)、メール対応(1.5時間)

改善ポイント:見積作成とメール対応はAIで効率化できる可能性大。


(2) ヒアリング型長文プロンプトで業務を整理する

もし日報がない、または情報が不足している場合は、AIにヒアリング形式で答えてもらう方法がおすすめです。

ヒアリング用長文プロンプト(例)

あなたは中小企業の業務改善を支援するコンサルタントです。  
私は経営者として、自社の業務を棚卸ししたいと考えています。  
以下の質問を順番に投げかけてください。各質問に答えながら業務を整理していきます。  

【質問の流れ】  
1. 会社の業種・従業員数・主要な顧客層を聞いてください。  
2. 部署ごと(営業、製造、管理、経理など)の主な業務を聞いてください。  
3. 各業務に「どれくらい時間がかかっているか」「誰が担当しているか」を聞いてください。  
4. 業務の中で「効率化したい」「属人化している」と感じるものを聞いてください。  
5. その内容を表形式でまとめ、AIで自動化や支援ができる可能性が高い業務に印をつけてください。  

最終的に、業務の改善優先度をA(効果大)、B(中)、C(小)に分類してレポートを作成してください。

これを使えば、AIが順番に質問してくれるので、対話しながら自社の業務を整理できます。


4. 実際の活用シーン(中小企業の例)

事例①:製造業(部品加工業)

  • 業務棚卸しの結果:見積書作成に月20時間、日報入力に10時間、取引先とのメールに15時間。
  • AI活用案
    • ChatGPT+Excel → 見積書の自動作成テンプレート
    • Copilot → 日報入力の要約・整理
    • メール返信 → 定型文をAIに生成させ、内容をチェックして送信

月30時間の削減(年間360時間の削減効果)

事例②:建設業(中小規模の工務店)

  • 業務棚卸しの結果:現場報告書の作成に月25時間、役所提出書類に15時間、社内会議準備に10時間。
  • AI活用案
    • 生成AI+Word → 報告書テンプレ自動化
    • ChatGPT+Copilot → 役所向け申請書の下書き作成
    • PowerPoint+AI → 会議資料を自動生成

月40時間の削減(年間480時間、約3人月分の余力を創出)


5. まとめ:業務棚卸しから始めるAI導入の第一歩

小さな会社がいきなり高額なAIシステムを入れるのはリスクがあります。
まずは 業務棚卸しで課題を明確化し、
「時間がかかる」「人手不足」「属人化している」業務を洗い出しましょう。

その上で、生成AI(ChatGPT、Copilot、Notion AIなど)を活用すると、

  • 日報整理
  • 見積書・報告書作成
  • メール文面作成
  • データ分析の一次処理

といった業務を短時間で効率化できます。

次回は 第2ステップ「小さくAIをためしてみる」 というテーマで実際にどのような業務にどのようなAIツールを当てはめてみるのかを具体例を交えて考えてみたいと思います。


📌 今回のポイント

  • 生成AI導入の最初のステップは「業務の棚卸し」
  • 日報や会議記録をAIに読ませれば、効率化ポイントを自動で抽出できる
  • ヒアリング型長文プロンプトを使えば、AIが質問しながら業務整理を手伝ってくれる
  • 製造業・建設業でも、見積書・報告書・メール作成などから小さくAI導入を始めるのが効果的

今回のブログで注意していただきたいのが「業務量を数値化する」です。
最初の方で社長がデジタル化やるぞ!、AI導入するぞ!と掛け声だけであとは丸投げという内容を書きましたが、現場は現場で「この仕組みをデジタル化したら楽になるのになんでこんなめんどくさいことさせるんだ!」と不満を言う人がいたりします。
では、「ここの仕組みをデジタル化したら?」という前提で「実際に今は何分かかっているのですか?」と聞くとサクッと答えられる人はあまり多くありません。
「業務量を数値化」できないとデジタル化やAIの導入効果が見えづらくなりますのである程度把握しておきましょう!

問い合わせ

本日は「小さな会社でも導入できる!生成AI導入ステップと実践活用法」の中の
「業務の棚卸と生成AI活用法」というテーマでブログを書きました。
少しでも業務削減のきっかけづくりになれば幸いです。
i-consulting officeでは、DX支援、生成AI導入支援を行っています。
ご興味ご関心のある方はぜひ、お問い合わせください。

お問い合わせページ:https://icon-office.com/contact

LINE公式アカウント:https://lin.ee/xHeD62c

宜しくお願いします。

本日の仕事

本日はAIの勉強会の集まりに行きました。参加者との交流タイムがあるのですが本当に自分からふらっと人に話しかけるのが苦手です。この時間帯がつらい。
・生成AI勉強会
・長崎L社向けのマーケティング関連質問準備
以上です。

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