2025.12.2
会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―
朝の投稿でも昼の投稿でもこんばんは。
i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。
そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。
- DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない。
- 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
- 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
- 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。
といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!
本日は「会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―」と題して、会計業務に着目して書き残しておきたいと思います。
🌟こんな方におすすめ
- これから会計業務改善を進めたい経営者・管理職の方
- 経理の担当者と「どこから改善すべきか」話が噛み合わない方
- コンサル・士業として会計業務改善支援を行いたい方
- Excel・クラウド会計・生成AIを組み合わせた効率化を進めたい方
🧭はじめに:改善は“方向性のすり合わせ”で9割決まる
会計業務改善は、以下の3者が一致して初めてうまく回ります。
- 経営層(意思決定)
- 経理担当(実務オペレーション)
- 現場部門(売上・経費の起点)
多くの企業で改善が停滞する原因は、
「そもそも論点が共有されていない」 こと。
- 経営者:月次の早期化がしたい
- 経理担当:日常業務が忙しくて手が回らない
- 現場:入力や提出書類のルールが曖昧で毎回違う
この状態のまま改善策に進むと、
「机上の空論」「現場が回らない改善」 になりがちです。
第3回では、改善に着手する前の最重要ステップである
“5つの論点のすり合わせ” を徹底的に解説します。
さらに、実際の打ち合わせの流れと、
すぐ使える「資料テンプレート」も紹介します。
🔍 経営者・経理担当と必ず確認すべき5つの論点
①【目的】改善の最終ゴールはどこか?
改善プロジェクトは、ここが曖昧なままだと必ず迷走します。
よくあるゴール例
- 月次を「翌月10日」までに締めたい
- 経営会議用のダッシュボードを自動化したい
- 経理担当者の属人化を解消したい
- ペーパーレス化で全体の工数を20%削減したい
- 請求・入金消込のミスをゼロにしたい
生成AIを絡めた最新のゴール例
- 日次の仕訳チェックをAIで自動化したい
- 月次レポートの初稿を自動生成し、経理の負担を減らしたい
- 経営指標(KPI)を自動で可視化し、毎朝共有したい
ゴールは必ず定量化しておくことがポイントです。
②【現状】何に時間がかかっているのか?
改善点は「経理担当の現場インタビュー」で明らかになります。
よくある時間のムダ
- 請求書 PDF のダウンロード → 印刷 → 手入力
- 現場からの領収書提出がバラバラ
- 仕訳パターンが担当者ごとに違う
- Excel 集計(売上・経費・固定資産)が複数ファイルで管理
- 月次の最終チェックを経理責任者しかできない
生成AIを使うと可視化できる内容
- 仕訳のゆらぎ(勘定科目・補助科目の揺れ)
- 入力の重複・二度手間
- 業務ごとの作業時間の推定(AIによるワークログ解析)
現状の“時間の使われ方”を数値化するだけで改善案は大きく変わります。
③【役割分担】経営・現場・経理の責任範囲は?
会計業務は「起点が経理ではない」点が非常に重要です。
起点別に見る役割
- 現場:請求・経費・売上の起票
- 経理:チェック、仕訳、集計
- 経営者:方針決定、締め日のルール化、投資判断
ここが曖昧だと、
「経理がなんでもやる組織」 になり、改善は絶対に回りません。
役割分担で確認すべき項目
- 誰が請求書を登録するか(現場 or 経理)
- 入金消込は自動化ツールを入れられるか
- 月次の最終承認者は誰か
- AI を使ったチェック業務をどこまで任せるか
属人化の発生ポイントは、ほぼこのステップで判明します。
④【優先順位】どこから改善すべきか?
改善は「漏れなく・ダブりなく・優先順位をつけて」が鉄則。
優先順位をつける3軸
| 軸 | 内容 |
|---|---|
| ①影響度 | 工数削減効果が大きいか/ミス削減になるか |
| ②緊急度 | トラブルの原因になっているか/毎月の負担が大きいか |
| ③実現性 | 費用・スキル・データ整理の負荷はどうか |
優先順位の考え方(実務例)
- 第一優先:請求・支払など“金額に直結する領域”
- 第二優先:月次締め(スピードと精度の両立)
- 第三優先:経営資料・ダッシュボードの自動化
- 第四優先:業務全体のペーパーレス化・ワークフロー化
生成AI時代の“新しい優先順位”
- 仕訳パターンの標準化
- AIチェックシートの作成
- 月次レポートのテンプレ化
- Excel 自動化(関数・Power Query・Copilot)
⑤【改善ロードマップ】いつ、何を、誰がやるか?
最後に「改善計画(ロードマップ)」を作成します。
ロードマップ例(3か月版)
1か月目:
・現場ルールの統一(請求書提出、経費精算)
・仕訳パターンの標準化
・AIによる自動チェックの試行
2か月目:
・月次処理フローの見直し
・Excel → Power Query への変換
・ダッシュボードの試作
3か月目:
・月次締めの早期化(翌月10日)
・月次レポートのAI自動生成
・改善後の作業時間と精度の測定
📋 打ち合わせの流れ(テンプレート付き)
ここでは “実際の打ち合わせで使える台本” と “資料テンプレート” を提示します。
【打ち合わせの流れテンプレ】
STEP1:目的の確認(10分)
- 月次早期化?
- ミス削減?
- 経理の工数削減?
- 経営の見える化?
経営者・経理担当の双方から意見を聞き、ギャップを可視化します。
STEP2:現状業務の整理(20分)
- 日次/週次/月次の業務フロー
- どこに時間がかかっているか
- 自動化できそうな部分の洗い出し
STEP3:課題の棚卸し(15分)
Zoomのホワイトボード、Miro、Excelでも可。
STEP4:優先順位づけ(15分)
前述の3軸で評価します。
STEP5:ロードマップ作成(10分)
3か月・6か月・1年の3段階で作るのが定番です。
📄 資料テンプレート(そのまま使えます)
①【目的確認シート】サンプル
□ 月次早期化(目標日: )
□ 経理工数削減(削減目標: 時間/月)
□ 仕訳ミス削減(◯%減)
□ 経営ダッシュボード構築
□ AIによる自動チェックの導入
②【現状フロー(Excelテンプレ)】サンプル
| 業務名 | 担当 | 使用ツール | 所要時間 | 課題 | 改善アイデア |
|---|---|---|---|---|---|
| 請求書処理 | Aさん | Excel | 3h | 提出がバラバラ | 提出ルールの統一 |
| 入金消込 | Bさん | 銀行データ | 2h | 突合ミスが発生 | RPA/AIによる自動化 |
③【改善優先順位マトリクス(4象限)】
- 影響大 × 実現性高 → 最優先
- 影響大 × 実現性低 → 中期
- 影響小 × 実現性高 → 短期でサクッと
- 影響小 × 実現性低 → 後回し
④【改善ロードマップ(スケジュール表)】
- 月次で何をやるか
- 担当者
- 必要なツール(Excel / クラウド会計 / AI)
- 評価指標(締め日・時間・ミス件数)
🧩 まとめ:改善は「経営×現場×経理」が揃って初めて実現する
改善の成否は、
“すり合わせの質”で決まる と言っても過言ではありません。
- ゴールを明確にする
- 現状のボトルネックを可視化する
- 役割分担の曖昧さを解消する
- 優先順位を論理的に決める
- 実行可能なロードマップをつくる
ここまで揃えば、
自動化・AI導入・業務標準化はスムーズに進みます。
次回は以下のような予定
第4回:中小企業がすぐ取り組める“会計DX改善案10選”
― 自動化・標準化・可視化で業務を変える実践ステップ
銀行連携、OCR、経費精算アプリ、PowerQueryなど
「手を付けると効果が大きい施策」を具体的に紹介。
という感じです。
お問い合わせ
本日は「会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―」というテーマのブログを書かせていただきました。
中小企業様の会計業務の改善に少しでもお役に立てればと考えています。
i-consulting officeでは会計業務改善コンサルティングも行います!
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宜しくお願いします!
本日のお仕事
・B社 創業計画書作成のご支援
・J社とN社様 DX研修内容についてすり合わせ
・H社の経営改善計画資料の作成
・GPTs作成のノルマ
ほんとはやらないかんことはまだまだありますが、時間が足りてない!