会計業務改善コンサルティング【第4回】:中小企業がすぐ取り組める“会計DX改善案10選”― 自動化・標準化・可視化で業務を変える実践ステップ―

朝の投稿でも昼の投稿でもこんばんは。
i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。

そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。

  • DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない
  • 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
  • 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
  • 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。

といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!

本日は「会計業務改善コンサルティング【第4回】:中小企業がすぐ取り組める“会計DX改善案10選”― 自動化・標準化・可視化で業務を変える実践ステップ―」と題して、会計業務に着目して書き残しておきたいと思います。

🌟 こんな方におすすめ

  • 会計業務のムダ・非効率をなくしたい経営者・管理者
  • 社長や現場から「経理が遅い」と言われてプレッシャーのある経理担当者
  • 会計DXをどこから始めればよいかわからない企業
  • Excel作業が多くミスが出やすいと感じている方
  • “低コスト・すぐできる改善策”を知りたい中小企業

🧭 はじめに:会計DXは“機能導入”ではなく“効果導入”

中小企業の会計DXにおいて最も多い課題は、
「何をやれば一番効果が出るのかがわからない」 という点です。

会計DXは下記の3つの方向性に分けると、改善ポイントが見えやすくなります。

① 自動化(Automation)

→ 手入力・転記・ファイルコピーを減らす

② 標準化(Standardization)

→ 人によってやり方が違う“属人作業”を減らす

③ 可視化(Visualization)

→ 経営に必要な数字が“1クリック”で見える状態を作る

本記事では、それぞれの観点から “すぐ取り組めて効果が大きい改善策10選” をまとめました。


🎯 中小企業がすぐ取り組める 会計DX改善案10選


① 銀行明細の自動取得(銀行API連携)

🔍 効果

  • 入金消込の精度向上
  • 手入力ゼロ
  • 月次締めが高速化

🛠 できること

主要な銀行ではオンラインバンキングのAPI連携に対応しており、
freee、マネーフォワード、弥生会計など主要ソフトと連携可能。

💡 ポイント

  • CSV取込より圧倒的に楽
  • “毎日自動連携”が可能な銀行も多い

② OCRで請求書・領収書を自動読み取り(AI-OCR)

🔍 効果

  • 入力の手間削減(5分→10秒)
  • ミス削減
  • 請求書の保管・検索が簡単に

🛠 ツール例

  • MoneyForward「請求書スキャン」
  • 弥生「スマート取引取込」
  • 無料なら「Google Drive OCR」も利用可能

💡 最新トレンド

2024〜2025年でAI-OCRの精度は大幅に向上し、
表形式の請求書でもほぼ自動認識が可能。


③ 経費精算アプリでレシート処理をゼロに

🔍 効果

  • 紙レシートの保管が不要
  • 振込データ作成が自動化
  • 承認フローが標準化

🛠 導入しやすいアプリ

  • 楽楽精算
  • ジョブカン経費精算
  • Concur Expense
  • マネーフォワード経費

💡 経費精算アプリの価値

  • スマホで撮影 → OCR → 自動仕訳
  • 交通費はICカード読み取りで自動計算
    “月末経費の山”が消える代表的DX施策

④ Excel PowerQueryで自動カンタンETL(データ整形)

🔍 効果

  • 取込・整形作業を完全自動化
  • 月次レポートの作成時間が90%削減
  • 大量データも高速処理

🛠 活用例

  • CSVの自動整形(会計ソフト出力→分析用へ)
  • 売上データと仕入データの突合
  • 月次レポートの自動更新

💡 中小企業で“即効性が最も高い”のはPowerQuery

Excel標準機能なので追加費用ゼロ。
操作はGUIベースで、IT初心者でも習得しやすい。


⑤ 振込データの自動生成(FBデータ・全銀フォーマット)

🔍 効果

  • 振込ミスゼロ
  • 銀行の窓口・ATMに行く必要なし
  • 1件ずつ入力するムダも削減

🛠 ポイント

  • 会計ソフト・販売管理ソフトから出力可能
  • ネットバンキングで取り込み→確認→実行

“支払業務のDX”は銀行連携とセットで最速改善できます。


⑥ 会計ソフトの自動仕訳ルール設定

🔍 効果

  • 毎月同じ仕訳を自動化
  • 人による判断ぶれを防ぐ
  • 月次決算が3日以上早まることも

🛠 おすすめの仕訳ルール

  • 振込手数料
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • クレジットカード会社の明細

“仕訳ルールを10個作るだけ”で別世界になります。


⑦ Googleフォーム × スプレッドシート × ChatGPTで伝票自動作成

🔍 効果

  • 手書き伝票ゼロ
  • 社内申請を標準化
  • スプレッドシートが“仕訳の原本”として機能

🛠 できること

  • 費用申請
  • 売上申請
  • 支払依頼
  • 発注依頼

ChatGPTと連携すれば、
入力内容 → 自動仕訳案の生成
まで可能。


⑧ Power Automateで“コピペ作業”を完全自動化

🔍 効果

  • Excelから会計ソフトへの転記などを自動化
  • 毎月の定例作業をロボットに任せられる
  • 人手不足の解消に直結

💡 代表的な自動化例

  • 毎朝の売上データを自動取得 → Excelに集計
  • ファイル名ルールで自動仕訳フォルダ作成
  • 会計資料のPDFを自動振り分け

Power AutomateはMicrosoft 365に含まれていることが多く、
追加コストなしで始められるDXツール


⑨ 固定資産管理をクラウド化(Excel脱却)

🔍 効果

  • 減価償却計算が自動化
  • 資産情報の更新ミスが減る
  • 固定資産台帳が最新状態に

🛠 ツール例

  • マネーフォワード固定資産
  • PCA固定資産
  • freee固定資産

資産数が多い企業ほど即効性が高い施策です。


⑩ 月次レポートを“自動更新型”にする(Excel×PowerBI)

🔍 効果

  • 月次資料が1クリックで生成
  • 経営会議の準備コストが激減
  • 売上や原価の“濃淡”を見える化

🛠 活用ポイント

  • Excel PowerQueryでデータ取得
  • PowerBIで可視化
  • ダッシュボードをクラウド共有

「月次資料は作るのではなく、更新するだけ」
という世界が実現できます。


📌 まとめ:まずは“3つだけ”導入すると効果が爆発する

10個すべてを一気にやる必要はありません。

中小企業がまず着手すべきは 以下の3つ です。


Step1:銀行連携(自動明細取得)

 → 入金確認・消込が自動化され、月次締めが早まる。

Step2:OCRによる請求書読み取り

 → 手入力ゼロ+紙管理から解放。

Step3:PowerQueryで月次レポート自動化

 → 取込・整形・集計の9割が自動に。


これだけで、
月20〜40時間の経理工数削減
は現実的に実現できます。

次回!第5回:改善後の運用定着と“数字で語れる経営”の仕組み作り

― 月次締めの高速化・管理会計・KPI導入

“改善して終わり”にならないように
運用ルール、チェックリスト、KPIの作り方を解説。

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