会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―

朝の投稿でも昼の投稿でもこんばんは。
i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。

そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。

  • DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない
  • 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
  • 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
  • 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。

といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!

本日は「会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―」と題して、会計業務に着目して書き残しておきたいと思います。

🌟こんな方におすすめ

  • これから会計業務改善を進めたい経営者・管理職の方
  • 経理の担当者と「どこから改善すべきか」話が噛み合わない方
  • コンサル・士業として会計業務改善支援を行いたい方
  • Excel・クラウド会計・生成AIを組み合わせた効率化を進めたい方

🧭はじめに:改善は“方向性のすり合わせ”で9割決まる

会計業務改善は、以下の3者が一致して初めてうまく回ります。

  • 経営層(意思決定)
  • 経理担当(実務オペレーション)
  • 現場部門(売上・経費の起点)

多くの企業で改善が停滞する原因は、
「そもそも論点が共有されていない」 こと。

  • 経営者:月次の早期化がしたい
  • 経理担当:日常業務が忙しくて手が回らない
  • 現場:入力や提出書類のルールが曖昧で毎回違う

この状態のまま改善策に進むと、
「机上の空論」「現場が回らない改善」 になりがちです。

第3回では、改善に着手する前の最重要ステップである
“5つの論点のすり合わせ” を徹底的に解説します。

さらに、実際の打ち合わせの流れと、
すぐ使える「資料テンプレート」も紹介します。


🔍 経営者・経理担当と必ず確認すべき5つの論点


①【目的】改善の最終ゴールはどこか?

改善プロジェクトは、ここが曖昧なままだと必ず迷走します。

よくあるゴール例

  • 月次を「翌月10日」までに締めたい
  • 経営会議用のダッシュボードを自動化したい
  • 経理担当者の属人化を解消したい
  • ペーパーレス化で全体の工数を20%削減したい
  • 請求・入金消込のミスをゼロにしたい

生成AIを絡めた最新のゴール例

  • 日次の仕訳チェックをAIで自動化したい
  • 月次レポートの初稿を自動生成し、経理の負担を減らしたい
  • 経営指標(KPI)を自動で可視化し、毎朝共有したい

ゴールは必ず定量化しておくことがポイントです。


②【現状】何に時間がかかっているのか?

改善点は「経理担当の現場インタビュー」で明らかになります。

よくある時間のムダ

  • 請求書 PDF のダウンロード → 印刷 → 手入力
  • 現場からの領収書提出がバラバラ
  • 仕訳パターンが担当者ごとに違う
  • Excel 集計(売上・経費・固定資産)が複数ファイルで管理
  • 月次の最終チェックを経理責任者しかできない

生成AIを使うと可視化できる内容

  • 仕訳のゆらぎ(勘定科目・補助科目の揺れ)
  • 入力の重複・二度手間
  • 業務ごとの作業時間の推定(AIによるワークログ解析)

現状の“時間の使われ方”を数値化するだけで改善案は大きく変わります。


③【役割分担】経営・現場・経理の責任範囲は?

会計業務は「起点が経理ではない」点が非常に重要です。

起点別に見る役割

  • 現場:請求・経費・売上の起票
  • 経理:チェック、仕訳、集計
  • 経営者:方針決定、締め日のルール化、投資判断

ここが曖昧だと、
「経理がなんでもやる組織」 になり、改善は絶対に回りません。

役割分担で確認すべき項目

  • 誰が請求書を登録するか(現場 or 経理)
  • 入金消込は自動化ツールを入れられるか
  • 月次の最終承認者は誰か
  • AI を使ったチェック業務をどこまで任せるか

属人化の発生ポイントは、ほぼこのステップで判明します。


④【優先順位】どこから改善すべきか?

改善は「漏れなく・ダブりなく・優先順位をつけて」が鉄則。


優先順位をつける3軸

内容
①影響度工数削減効果が大きいか/ミス削減になるか
②緊急度トラブルの原因になっているか/毎月の負担が大きいか
③実現性費用・スキル・データ整理の負荷はどうか

優先順位の考え方(実務例)

  • 第一優先:請求・支払など“金額に直結する領域”
  • 第二優先:月次締め(スピードと精度の両立)
  • 第三優先:経営資料・ダッシュボードの自動化
  • 第四優先:業務全体のペーパーレス化・ワークフロー化

生成AI時代の“新しい優先順位”

  • 仕訳パターンの標準化
  • AIチェックシートの作成
  • 月次レポートのテンプレ化
  • Excel 自動化(関数・Power Query・Copilot)

⑤【改善ロードマップ】いつ、何を、誰がやるか?

最後に「改善計画(ロードマップ)」を作成します。


ロードマップ例(3か月版)

1か月目:
・現場ルールの統一(請求書提出、経費精算)
・仕訳パターンの標準化
・AIによる自動チェックの試行

2か月目:
・月次処理フローの見直し
・Excel → Power Query への変換
・ダッシュボードの試作

3か月目:
・月次締めの早期化(翌月10日)
・月次レポートのAI自動生成
・改善後の作業時間と精度の測定

📋 打ち合わせの流れ(テンプレート付き)

ここでは “実際の打ち合わせで使える台本” と “資料テンプレート” を提示します。


【打ち合わせの流れテンプレ】

STEP1:目的の確認(10分)

  • 月次早期化?
  • ミス削減?
  • 経理の工数削減?
  • 経営の見える化?

経営者・経理担当の双方から意見を聞き、ギャップを可視化します。


STEP2:現状業務の整理(20分)

  • 日次/週次/月次の業務フロー
  • どこに時間がかかっているか
  • 自動化できそうな部分の洗い出し

STEP3:課題の棚卸し(15分)

Zoomのホワイトボード、Miro、Excelでも可。


STEP4:優先順位づけ(15分)

前述の3軸で評価します。


STEP5:ロードマップ作成(10分)

3か月・6か月・1年の3段階で作るのが定番です。


📄 資料テンプレート(そのまま使えます)


①【目的確認シート】サンプル

□ 月次早期化(目標日:    )
□ 経理工数削減(削減目標: 時間/月)
□ 仕訳ミス削減(◯%減)
□ 経営ダッシュボード構築
□ AIによる自動チェックの導入

②【現状フロー(Excelテンプレ)】サンプル

業務名担当使用ツール所要時間課題改善アイデア
請求書処理AさんExcel3h提出がバラバラ提出ルールの統一
入金消込Bさん銀行データ2h突合ミスが発生RPA/AIによる自動化

③【改善優先順位マトリクス(4象限)】

  • 影響大 × 実現性高 → 最優先
  • 影響大 × 実現性低 → 中期
  • 影響小 × 実現性高 → 短期でサクッと
  • 影響小 × 実現性低 → 後回し

④【改善ロードマップ(スケジュール表)】

  • 月次で何をやるか
  • 担当者
  • 必要なツール(Excel / クラウド会計 / AI)
  • 評価指標(締め日・時間・ミス件数)

🧩 まとめ:改善は「経営×現場×経理」が揃って初めて実現する

改善の成否は、
“すり合わせの質”で決まる と言っても過言ではありません。

  • ゴールを明確にする
  • 現状のボトルネックを可視化する
  • 役割分担の曖昧さを解消する
  • 優先順位を論理的に決める
  • 実行可能なロードマップをつくる

ここまで揃えば、
自動化・AI導入・業務標準化はスムーズに進みます。

次回は以下のような予定
第4回:中小企業がすぐ取り組める“会計DX改善案10選”

― 自動化・標準化・可視化で業務を変える実践ステップ

銀行連携、OCR、経費精算アプリ、PowerQueryなど
「手を付けると効果が大きい施策」を具体的に紹介。

という感じです。

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本日は「会計業務改善コンサルティング【第3回】経営者・経理担当とすり合わせるべき5つの論点―― 経営×現場×会計の視点を統合し、改善の方向性を決める―」というテーマのブログを書かせていただきました。
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・J社とN社様 DX研修内容についてすり合わせ
・H社の経営改善計画資料の作成
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