「社長の右腕を、AIで作ってみた(第1回・準備編)」


社長の右腕を、AIで作ってみた(第1回・準備編)いきなりAI社員を9人雇って、見事に持て余した話

朝でも昼でもこんばんは。〝経営数字とAI活用のパートナー〟中小企業診断士の田中 健太郎です。

今日から数回に分けて、私が自分の会社に「AIのチーム」を作った話をします。私専属の秘書役のAIを司令塔に、資料作成や集客、財務分析といった役割を持ったAIたちが動く、いわば社員のいない一人会社に作った、もう一つの組織です。

と、こう書くと身構えてしまう方が多いのですが、安心してください。私はプログラマーではありません。コードは一行も書いていません。やったことは、AIに「お願いの仕方」を整えただけです。その代わり、最初に盛大に失敗しました。今日はその失敗も含めて、始める前にやっておくべき準備の話をします。

こんな方におすすめ

  • AIを仕事に使いたいが、何から手をつければいいか分からない
  • 一人で会社を回していて、事務作業に時間を取られている
  • ChatGPTやClaudeを少し触ったが、結局続かなかった
  • 「AI社員」「AIチーム」という言葉は聞くが、正直うさんくさいと思っている
  • 社員を増やす前に、自分の手間を減らす方法を探している

はじめに

「AIに仕事を任せると楽になるらしい」

そう聞いて触ってみたものの、なんとなく質問して、なんとなく答えが返ってきて、それで終わり。気づけば使わなくなっていた。こういう方、本当に多いです。かく言う私も、最初はそうでした。

何が違ったのか。ある時から私は、AIを「質問に答えてくれる便利な検索」ではなく、「役割を持って働いてくれるスタッフ」として組み立て直しました。これが転機でした。今では毎朝7時に、その日の予定と準備事項をまとめた報告が手元に届きます。ブログの下書きも、この文章を書いている相棒が用意してくれます。

ただ、ここに至るまでに一度、大きく遠回りをしています。その話から始めさせてください。

いきなりAI社員を9人雇って、持て余した話

AIでチームが作れると知った私は、張り切りました。秘書、資料作成、財務分析、集客、契約管理、クライアント分析。思いつくかぎりの役割を一気に作り、気づけば9人分のAI社員が並んでいました。壮観です。これで会社が回ると、本気で思いました。

結果はどうだったか。ほとんど使いませんでした。

理由は単純で、私自身が「何を頼めばいいのか」を分かっていなかったからです。9人いても、こちらの指示があいまいだと、9人ぶんの困った顔が並ぶだけ。実際に毎日使ったのは、秘書役と集客役くらいでした。残りは、立派な肩書きだけが宙に浮いている状態です。

このとき学んだのは、順番が逆だったということです。先にAI社員をそろえてから仕事を探すのではなく、先に「自分のどの仕事を手放したいか」を決めてから、それに合うAIを一人だけ立てる。これが正解でした。人を雇うときと、まったく同じですよね。

そして先日、9人を3人に減らしました

実はこの連載を書こうと机に向かったとき、あらためて自分のAIチームを眺めて、思わず苦笑いしました。9人もいるのに、半分以上は数か月ろくに声をかけていない。これはもう、人を雇ったまま仕事を与えず放っている状態と同じです。本物の会社なら、許されません。

そこで、この記事を書くのを区切りに、思いきって整理しました。9人を、3人に減らしたのです。

残したのは次の3人です。まず、秘書役。予定やメールの整理、調べもの、そして他の担当への指示出しをする司令塔です。次に、集客担当。ブログやSNS、セミナーの集客を任せています。最後に、分析と資料作成をまとめて受け持つ担当。数字を読み解いて、その結果を提案書やスライドに整えるところまで、一人で見てもらいます。

減らすと決めたとき、最初は「せっかく作ったのに、もったいない」という気持ちが少し出ました。でも、ここがおそらく多くの方がつまずくところです。役割をたくさん持つこと自体には、何の価値もありません。価値があるのは、実際に動いて、自分の手間が減ることだけです。使っていない肩書きは、ただ管理の手間を増やすお荷物でしかない。これは本物の組織でも、まったく同じですよね。

さらに一つ、大きな工夫をしました。私が話しかける相手を、秘書役の一人だけにしたのです。資料を作ってほしいときも、数字を見てほしいときも、私はその秘書役に言うだけ。あとは秘書役が、裏で適切な担当に振り分けてくれます。こうすると、何人いようと、こちらが相手にするのは常に一人。「担当が多すぎて、誰に頼めばいいか分からない」という、あの疲れる感覚がきれいに消えました。

外して空いた仕事、たとえば契約書のチェックや、新しい効率化ツールの相談などは、常駐の担当を置くのをやめました。必要になったときに、その秘書役へ単発で頼めばいい。役割を常設しないだけで、いつでも呼べるのですから、何も困りません。

もし今、たくさんのAIを作って持て余している方がいたら、迷わず減らすことをおすすめします。そして、これから始める方は、最初から欲張らないこと。私の失敗を、どうか先回りで避けてください。

始める前にやること1:自分の仕事を棚卸しする

準備の第一歩は、AIをいじることではありません。紙とペン、あるいはメモアプリで十分です。自分が一日にやっている仕事を、朝から順番に全部書き出してみてください。

たとえば私の場合はこうでした。朝、メールを確認する。今日の予定を見て、面談先の資料を引っ張り出す。提案書を作る。移動する。面談する。夜、日報をつける。請求書を作る。ブログを書く。並べてみると、驚くほど雑多なことを一人でやっています。

書き出したら、それぞれに「これは考える仕事か、作業か」と印をつけていきます。面談で相手の本音を引き出すのは、考える仕事。これは手放せません。でも、予定を一覧にまとめる、過去の議事録を探してくる、文章の下書きを作る。こういった作業は、AIに渡せる仕事です。

この棚卸しをやらずにAIを触り始めると、私のように「立派な道具はあるのに使いどころが分からない」状態になります。先に自分の一日を見える化する。これが何より先です。

始める前にやること2:任せたい仕事の手順を言葉にできるか確かめる

棚卸しで「これは任せたい」と思った作業が見つかったら、もう一つ確認することがあります。その仕事の手順を、自分の言葉で説明できるかどうかです。

ここが意外な落とし穴でした。私は朝の予定確認を任せたかったのですが、いざAIに頼もうとすると、自分が普段どういう順番で何を見ているのか、うまく説明できなかったのです。まず予定名から会社名を拾って、過去のやり取りを思い出して、相手が新規か既存かで準備を変えて…と、頭の中では一瞬でやっていたことを、言葉にするのに苦労しました。

逆に言えば、自分が手順を言葉にできない仕事は、AIにも頼めません。これは裏を返すと、いいチャンスでもあります。AIに渡すために業務を言語化する作業は、そのまま「人に引き継げる仕事に整える」ことだからです。将来、本物の社員さんを雇うときの財産にもなります。

始める前にやること3:有料プランを用意する

ひとつだけ、お金の話をしておきます。この連載でお話しする使い方は、Claudeの有料プランを前提にしています。

無料版でも会話はできますが、自分のファイルを読ませたり、カレンダーやメールとつないだり、毎朝決まった時間に自動で動かしたり、といった「チームとして働かせる」機能は、有料プランの領域です。月額で見れば、アルバイトを一時間雇うより安いくらいです。私は、事務作業に取られていた時間を考えれば、十分すぎるほど元が取れたと感じています。

とはいえ、いきなり契約をすすめたいわけではありません。まずは前の二つ、棚卸しと手順の言語化を紙の上でやってみてください。それだけでも、自分の仕事の見え方が変わります。

まとめ

今日の話を三つにまとめます。

  • AIチームは、道具をそろえる前に「自分のどの仕事を手放すか」を決めるのが先。私は順番を間違えて9人を持て余し、結局3人に減らした
  • 始める前に、一日の仕事を全部書き出して、考える仕事と作業に分ける
  • 任せたい作業は、手順を自分の言葉で説明できるか確かめる。説明できれば、AIにも人にも引き継げる
  • 多ければいいわけではない。使っていない役割はお荷物。少人数にして、窓口は一人に絞ると一気にラクになる

派手なAIの使い方は、世の中にあふれています。でも、本当に効くのは、自分の足元の仕事をきちんと見える化することです。地味ですが、ここを飛ばすと必ずつまずきます。

次回は、このAIチームの一番の心臓部、AIに渡す「指示書」の話をします。よく耳にするCLAUDE.mdという言葉が何なのか、なぜこれを先に作ると全部がうまく回り出すのか。ここを知ると、AIが急に賢くなったように感じられるはずです。

よくある質問

Q. パソコンが苦手でも作れますか?

A. 作れます。私もコードは書けません。やっていることは、AIへのお願いを日本語の文章で整えるだけです。難しい設定よりも、自分の仕事を整理する力のほうが大事です。

Q. 社員が一人もいない会社ですが、意味がありますか?

A. むしろ一人会社こそ効果が大きいです。事務も営業も経理も全部自分でやっている方ほど、手放せる作業がたくさんあります。私自身がそうでした。

Q. まず何から任せるのがおすすめですか?

A. 毎日必ず発生して、しかも頭をあまり使わない作業がおすすめです。予定の整理、文章の下書き、過去資料の検索あたりは効果を実感しやすいです。一気に増やさず、一つ成功してから次に進んでください。

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本日は「社長の右腕を、AIで作ってみた(第1回・準備編)」というテーマでブログを作成しました。

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本日のお仕事

ここ2か月ほど、ブログの更新ができていないため、改めて更新することに決めました。

・AIチーム見直し&ブログ復活
・S社 不動産業 営業会議準備
・H社 整骨院 打ち合わせ準備
・L社 新規事業相談準備
・診断士 会議
・同業者 ミーティング

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