2026.9.26
AI実践ブログ①銀行面談の予行演習はAIでできる。同じ決算書を4社に渡して比べてみた
朝でも昼でもこんばんは。〝次世代経営者育成パートナー〟中小企業診断士の田中 健太郎です。
私の事務所では、日々の業務の多くをAIと一緒に回しています。うまくいったことも失敗したことも、中小企業の社長・後継者の目線で「これは使える」「これはまだ早い」を正直にレポートしていきます。
今回は銀行面談の準備にAIを使ってみました。同じ決算書をClaude、ChatGPT、Gemini、Copilotの4社に渡して、答えを比べています。読み終わるころには、次の銀行面談の前にそのまま使えるプロンプトが手元に残ります。
こんな方におすすめ
- 銀行面談で何を聞かれるか、毎回その場になってみないとわからない
- AIを契約したけれど、経営の仕事にはまだ使えていない
- ChatGPT、Claude、Gemini、Copilotのどれを使えばいいか迷っている
- 後継者に、銀行とのやりとりを少しずつ任せたい
はじめに
「銀行の担当者に聞かれて、答えに詰まった」。支援先の社長から、よく聞く話です。聞かれる質問がある程度わかっていれば、準備はできますよね。
そこで、AIに銀行の融資担当者になってもらいました。使ったのは、私のブログの後継者講座シリーズに登場する架空の食品卸売業の決算書です。

〔画像:銀行面談の予行演習をAI4社で比べた図〕
4社に渡したプロンプト
4社とも新しいチャットを開いて、下の文をそのまま貼りました。数字の部分を自社の決算書に差し替えれば、そのまま使えます。
あなたは地方銀行の融資担当者です。
次の中小企業から運転資金の追加融資の相談を受けました。
決算書(2期分)を見て、社長との面談で聞く質問を10個考えてください。
それぞれに「なぜその質問をするのか(銀行が何を確かめたいのか)」も一言添えてください。
〔ここに業種、従業員数、2期分の売上高・粗利・営業利益・現預金・売掛金・在庫・買掛金・借入金・純資産、今期の設備投資を書く〕
銀行面談の予行演習、4社の答えを比べた
今回は、普段使っているモードのまま比べました。モデルの格はそろっていません。そこは割り引いて読んでください。
Gemini(3.6 Flash)
質問は10個そろっていました。ただ、在庫の増加を「4,000万円」と書いています。正しくは400万円で、桁がひとつずれていました。言い回しにも少し違和感があり、日本語の理解がやや弱い印象です。
ChatGPT(思考量・中)
4社の中でいちばん速く返ってきました。質問と「なぜ聞くのか」を表にしてあって、ひと目でわかります。運転資金が1,600万円増えたことも、自分で計算していました。
Copilot(自動モード)
文章が短く、回答も簡潔でした。忙しい社長が面談の直前に読むなら、ちょうどいい長さです。
Claude(Opus 5.5)
財務分析を比較表にしてくれたのが、わかりやすかったです。売掛金の回収が66.5日から69.4日に延びていることまで出ていました。検算してみると、数字はすべて合っていました。
Copilotが、私のファイルを読みに行っていた
今回いちばん驚いたのはここです。Copilotの答えの途中に、出典として私のファイル名が出ていました。同じ架空の会社を扱ったブログ原稿です。OneDriveに保存していたものでした。
Microsoft 365のCopilotは、自分がアクセスできる社内のファイルも探して答えに使います。便利ですが、今回の対決に限っては、Copilotだけ答えを見ながら解いた形になりました。
会社で使うなら、AIがどのフォルダまで見られるのかを一度確認しておくと安心です。
ChatGPTとClaudeのいいとこ取りが、いちばん使えた
4社を並べて感じたのは、ChatGPTの表とClaudeの財務分析を足して2で割れば、いちばんわかりやすいということでした。
そこで、ChatGPTの答えをClaudeに貼り付けて、いいとこ取りでまとめるよう頼みました。出てきたのは、次の3段構成です。
- 数字の分解(売上・粗利・営業利益・現預金の前期比)
- お金の流れの確認(利益3,000万円-運転資金1,600万円-設備2,200万円=-800万円で、現預金の減少と一致)
- 質問10個の表と、銀行が特に掘り下げる3点
これで面談の予行演習にそのまま使える形になりました。2つのAIに答えさせて、片方にまとめさせる。手間は5分ほど増えますが、1社だけで済ませるより抜けが減ります。
銀行面談の前に、社長と後継者で読み合わせを
AIが出す質問は、あくまで想定問答です。本番で見られるのは、社長がその場で数字で答えられるかどうかです。
質問10個を後継者の方と一緒に読んで、答えられない質問に印をつけてみてください。印がついたところが、次の面談までに準備するところです。
まとめ
- 銀行面談の予行演習は、AIに融資担当者の役をさせればできる
- 数字の正確さはAIごとに差がある。答えは必ず自分の決算書と照らし合わせる
- 1社で済ませず、2社の答えを1社にまとめさせると抜けが減る
社長の会社の決算書なら、銀行はどの数字から聞いてくると思いますか。
よくある質問
Q. 無料版のAIでもできますか?
A. 今回はすべて有料プランで試しています。無料版では使えるモデルが変わるので、答えの深さも変わると思います。まずは手元の環境で1回試してみてください。
Q. 自社の決算書をそのままAIに入れても大丈夫ですか?
A. 社名を伏せ、数字だけを入れれば十分に使えます。会社で契約しているAIなら、データの扱いがどう決められているかを一度確認しておきましょう。
Q. 結局、どのAIを選べばいいですか?
A. 今回の結果なら、表で整理するならChatGPT、財務の深掘りならClaudeです。ただ、1社に決めるより2社を組み合わせるほうが、私は使いやすいと感じました。
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