AI実践ブログ②見積の「出し値」が20分で見えるツールを、AIに作らせてみた

朝でも昼でもこんばんは。〝次世代経営者育成パートナー〟中小企業診断士の田中 健太郎です。

私の事務所では、日々の業務の多くをAIと一緒に回しています。うまくいったことも失敗したことも、中小企業の社長・後継者の目線で「これは使える」「これはまだ早い」を正直にレポートしていきます。

今回は、見積の「出し値」を確かめるツールをAIに作らせてみました。かかった時間は20分ほどです。読み終わるころには、同じツールを作るためのプロンプトと、見積金額を逆算する計算式が手元に残ります。

こんな方におすすめ

  • 見積を社員に任せたいが、安く出しすぎないか心配
  • 粗利率の基準が、社長の頭の中にしかない
  • 見積が上がってくるたびに、電卓で粗利を確かめ直している
  • AIを契約したけれど、文章づくりにしか使っていない

はじめに

「見積を出したあとで計算したら、ほとんど利益が残っていなかった」。支援先の社長から、ときどき聞く話です。

いきなり社員に見積を任せるのは、難しいですよね。でも、原価と「最低これだけは取る」という粗利率の基準が見えていれば、出し値の目安は誰でもわかるはずです。

そこで、社員が見積を出す前に使う「粗利チェックツール」を、Claudeに作ってもらいました。

Claudeに渡したプロンプト

claude.aiで新しいチャットを開き、下の文をそのまま貼りました。デザインについては何も指示していません。

建設業の小さな会社で、社員が見積を出す前に使う「粗利チェックツール」を作ってください。
・材料費、外注費、労務費、経費を入力し、見積金額も入れる
・原価の合計、粗利額、粗利率を自動で計算して表示
・粗利率が25%を下回ったら赤く「要相談:社長に確認」と表示
・25%以上なら緑で「OK」と表示
・「目標粗利率を〇%にするなら見積金額はいくら?」も逆算して表示
・スマホでも見やすく、ボタンや文字は大きめに
・数字はすべて架空のサンプルを初期値で入れておく

20分で、ここまでできた

画面の右側に、そのまま動くツールが出てきました。数字はすべて架空の外構工事の例です。

原価の合計は313万円。見積を405万円で入れると、粗利率は22.7%で赤い判定が出ます。「25%にするには見積417万4千円以上が必要(あと12万4千円)」とまで教えてくれました。

画像1:粗利率22.7%で要確認と表示された見積粗利チェックツール〕

見積を430万円に変えると、粗利率27.2%で緑の「OK」に変わります。

画像:粗利率27.2%でOKと表示された見積粗利チェックツール〕

スマホで開くと縦並びになり、画面の下に粗利率と判定がずっと表示されます。現場で見積を考えるときにも使えそうです。

画像3:スマホで表示した見積粗利チェックツール〕

作ったあとに頼んだのは、次の2つだけです。

  • 判定の文言を「要確認:社長承認案件です!」に変える
  • パソコンでは左に入力、右に結果の2列にして、1画面に収める

使ってみて、つまずいたところ

「最低ライン」と「目標」の違いがわからなかった

画面には、判定の基準25%と、逆算用の目標粗利率30%が並んでいました。違いがわからずClaudeに聞くと、こう返ってきました。

25%は、下回ったら社長に相談する最低ライン。30%は、何%取りたいなら見積はいくらかを試す欄。そして「30%は私の判断で入れた値で、ご指定ではありません」と、自分から説明してくれました。

AIは、頼んでいない部分を気を利かせて埋めてきます。作ったツールの中身は、一度自分の目で確かめておくと安心です。

基準を変える設定画面は、頼まないと作られない

25%という基準は、ツールの中に直接書き込まれていました。基準を変えたいときは、Claudeに作り直してもらう形です。

Claudeからは「社長が決めた基準を、社員全員の画面に反映させる設定画面も作れます」と提案がありました。会社で使うなら、ここまで作っておくと社員が勝手に基準を下げる心配もありません。

今回は「自分だけ」で使う形

作ったツールは、画面右上の「共有」からリンクを出せます。ただ、今回の公開範囲は「自分だけ」のままです。社員と使うには、共有の設定を確かめる必要があります。

見積金額を逆算する計算式

ツールがなくても、この式を知っていれば電卓で出し値がわかります。

見積金額 = 原価合計 ÷(1 − 目標粗利率)

原価313万円で粗利率25%を取りたいなら、313万円÷0.75で約417万円です。

よくある勘違いが、原価に25%を上乗せする計算です。313万円×1.25=約391万円。これだと粗利率は20%にしかなりません。「25%乗せたから大丈夫」と思っていた見積が、実は基準割れだったということが起こります。

基準がないまま見積を任せると

値決めが社長の頭の中にしかないと、見積は毎回社長のチェック待ちになります。社長が忙しい月ほど、見積の返事が遅れてしまいます。

最低ラインを数字で決めて、ツールで誰でも確かめられるようにしておく。それだけで、社長が見るのは赤い判定が出た案件だけになります。

まとめ

  • 原価と粗利率の基準さえ決まっていれば、出し値が見えるツールは20分で作れる
  • AIが気を利かせて入れた数字や、作られていない機能は、自分で確かめる
  • ルールを決めるのは社長、それを仕組みにするのがAI

いきなり見積を任せるのは難しくても、「出し値が見える」だけで営業の手間は少し減るはずです。

社長の会社では、見積の最低ラインは何%ですか。

よくある質問

Q. プログラミングの知識がなくても作れますか?
A. 私はプロンプトを貼って、あとは話し言葉で直してほしいところを伝えただけです。コードは一行も触っていません。

Q. 無料版のClaudeでも作れますか?
A. 今回は有料プランで試しています。無料版では使える量やモデルが変わるので、まずは手元の環境で1回試してみてください。

Q. 粗利率の基準は何%にすればいいですか?
A. 業種や工事の種類、会社の固定費で変わります。過去の決算書から「この粗利率なら利益が残る」という線を出すのが先です。

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本日は「見積の「出し値」が20分で見えるツールを、AIに作らせてみた」というテーマでブログを作成しました。

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