
2025.9.14
建設業DX・AI活用シリーズ 第3回~経営・マネジメントに役立つDX・AI活用~
こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。
経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第3回~経営・マネジメントに役立つDX・AI活用~」と言うテーマでDXやAIが企業の意思決定にどのように役立てることができるのかというテーマで書いておきたいと思います。
はじめに
建設業界では「現場の生産性向上」や「安全管理の強化」がDX・AI活用の中心テーマとして語られることが多いですが、経営やマネジメントの視点での活用も極めて重要です。
特に、人材不足・コスト高・案件の不確実性といった経営課題に直面する建設業では、DXやAIを経営層・管理層が活用できるかどうかが、中長期的な企業競争力を左右します。
本記事では、建設業の経営・マネジメント領域におけるDX・AI活用の具体事例やメリット、導入のステップについて解説します。
1. 経営層・管理層が抱える課題
まず、現場以外の「経営・マネジメント」に目を向けた場合、以下のような課題があります。
- 原価管理の複雑さ
案件ごとに異なる工期・材料・協力会社のコストを正確に把握するのは困難。 - 人材不足と属人化
ベテランの経験や勘に依存しており、若手に十分に引き継げていない。 - 経営判断の遅れ
数字の集計やレポートに時間がかかり、タイムリーな意思決定ができない。 - コンプライアンス対応
安全管理・法令遵守・労務管理に関する負担が増加。
これらは現場DXだけでは解決できず、データを経営層までつなげる仕組みが必要です。
2. 経営におけるDX・AIの具体的活用事例
(1) 原価管理・収益管理の高度化
- AIによる工事原価の予測
過去の実績データ(工期・人員・材料費)をAIが学習し、見積段階で「どの程度の利益率になるか」を予測。
→ 赤字リスクの高い案件を事前に把握し、受注判断に役立つ。 - リアルタイム原価モニタリング
Excelや会計ソフトと連携し、案件ごとの進捗と予算消化を可視化。
→ 「終わってみたら赤字」から「途中で軌道修正できる」へ。
(2) 人材マネジメントの効率化
- AIによる人員配置最適化
各社員のスキル・稼働率をもとに、AIが「誰をどの現場に配置すべきか」を提案。
→ 熟練者の経験を無駄にせず、若手育成にもつながる。 - 働き方改革への対応
勤怠管理システムとAIを連携させ、労働時間の偏りを自動検出。
→ 長時間労働の是正と、協力会社含めた労務リスクの低減。
(3) 経営判断のスピード化
- ダッシュボードによる経営可視化
案件別収支・営業パイプライン・資金繰り予測を自動集計し、経営者がスマホで確認可能。
→ 「現場からの報告待ち」から「即時のデータ経営」へ。 - シナリオ分析(AIシミュレーション)
「材料費が10%上昇した場合」「受注が20%減少した場合」などをシミュレーションし、経営リスクを事前に把握。
→ 不確実性の高い建設業でも、冷静な意思決定が可能に。
(4) コンプライアンス・安全管理
- AIによる契約書チェック
契約書をAIが読み取り、法務リスク(瑕疵担保・違約金条項など)を自動検出。
→ 中小企業でも弁護士並みの確認が可能に。 - 安全管理データの経営活用
現場カメラやIoTセンサーで収集した安全情報を集約し、経営層が「事故リスクの高い現場」を把握。
→ 労災防止と企業イメージ向上に直結。
3. 実際の導入事例
事例① 中堅ゼネコン(売上100億円規模)
- 課題:各現場の収支報告が月次でしか上がらず、赤字工事が発生しても気づくのが遅かった。
- 導入:クラウド型原価管理システム+AIによる進捗予測。
- 効果:案件別利益率をリアルタイムに把握し、年間で数千万円規模の赤字工事を未然に防止。
事例② 地方工務店(売上10億円規模)
- 課題:人員配置が属人的で、若手の育成も進まなかった。
- 導入:AIによる人材配置システムを導入。
- 効果:適材適所の配置が実現し、ベテラン社員の負担軽減と若手の成長を両立。
4. 経営層が取り組むべきDX導入ステップ
ステップ1:経営課題を明確化する
「原価管理の精度向上」「人材不足の解消」など、現場ではなく経営の課題を出発点にする。
ステップ2:小さく始める
いきなり大規模なシステム導入ではなく、
- Excel+AIでの予測分析
- 勤怠データのAI解析
など、手元のデータから活用を開始。
ステップ3:経営層自身が使う
AIレポートやダッシュボードは、現場任せにせず、経営者・管理職が日常的に確認する習慣を持つ。
ステップ4:全社展開する
成果が見えたら、他部署や協力会社との連携に広げる。
→ 「点」での活用から「面」でのDXへ。
5. 今後の展望
建設業界では国土交通省による「建設DX推進戦略」も進んでおり、2025年以降は経営データと現場データの統合がより強く求められるようになります。
AIエージェントやMicrosoft 365 Copilotのような生成AIツールも、中小規模の建設会社でも使いやすい形で普及が進んでいます。
まとめ
建設業DXは「現場改善」だけでなく、「経営・マネジメント」に活用してこそ真の効果を発揮します。
- 原価・収益管理の高度化
- 人材マネジメントの効率化
- 経営判断のスピード化
- コンプライアンス・安全管理強化
これらをAIやDXツールで実現することで、持続可能な成長と競争力強化につながります。
次回(第4回)は「建設業における業務連携とDXの可能性」について解説します。
問い合わせ
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第3回~経営・マネジメントに役立つDX・AI活用~」というテーマで書かせていただきました。
ちなみにi-consulting officeでは、これからDXを考えたいけどどうすればいいかわからないという企業向けのDX推進のために従業員に他人事から自分事に考え方を変えてもらう研修を実施しています。
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本日のお仕事
本日は、朝から生成AIの勉強会に参加、新たなプロンプトを手に入れさらなるレベルアップができるような気がします。あと、GPTsを使って簡単にゲームが作成できることを知って、いろいろ作れないだろうかと思案中です。
経営発展ゲームみたいなものができないものか?
・生成AI勉強会
・財務研修のための追加資料作り
・補助金セミナーのネタづくり。