【案件別収益が見えない問題】第3回:赤字案件はこうして生まれる― 見積もり前に決まっている失敗 ―

朝でも昼でもこんばんわ。
最近は、情報システム企業の業績改善支援を行っている中小企業診断士の田中です。

本日から5回シリーズ3回目です。
引き続きプロジェクト案件別利益の考え方について書いていこうと思います。

📌 こんな方におすすめ

  • 情報システム会社・SIerの経営者、役員の方
  • 「なぜか毎回、同じ案件で苦労している」と感じている方
  • 見積もりは頑張っているのに、結果が伴わない方
  • 赤字案件の原因を「現場の頑張り不足」にしたくない方
  • 次の案件から同じ失敗を繰り返したくない方

赤字案件は「途中で失敗する」のではありません

多くの方が、
赤字案件についてこう考えています。

「途中でトラブルが起きたから」
「お客さんの要求が増えたから」
「現場が大変だったから」

ですが、
現場を見てきた立場から言うと――

👉 赤字案件の多くは、始まる前から決まっています。

つまり、
見積もり前・受注前の段階で、
すでに負け筋に入っているのです。


よくある赤字案件のスタート地点

ここからは、
本当によく見るパターンです。


① 要件が「まだ固まっていない」案件

この一言、聞いたことありませんか?

「まずは走りながら考えましょう」営業的な言い方だと「受注(獲れてから)考えよう
というやつです。昔はこんなことばっかり考えてました。これは良くない。

この時点で、
お金のブロックパズル的には黄色信号です。

  • 仕様が流動的
  • 追加作業が前提
  • でも見積もりは固定

この構造、
どう考えても人件費ブロックが膨らみます

にもかかわらず、
見積もりでは「希望的観測」が入ります。


② 見積もりが「作業ベース」になっている

赤字案件の多くは、
見積もりがこうなっています。

  • 画面数 × 単価
  • 機能数 × 工数
  • 開発日数 × 人月

一見、正しそうです。
でも、ここには抜け落ちているものがあります。

それは、

  • 調整
  • 確認
  • 説明
  • 手戻り
  • トラブル対応

つまり、
実務で一番時間を食う部分です。

これが見積もりに入っていないと、
赤字はほぼ確定です。


③ 「できる人」が前提になっている

見積もりを作るとき、

「この人がやれば早いから」
「ベテランが入る前提で」

こう考えていませんか?

これ、かなり危険です。

なぜなら、

  • ベテランは他案件にも引っ張られる
  • 火消し役になりがち
  • 結果、ずっと張り付く

👉 人件費ブロックが静かに膨張します。
これで、高額なSEを抑え込んで後ろ向きな仕事ばかりさせてしまう。これもよくない。
高額なSEはもっと前向きな仕事に従事してもらわないと。

しかも、
本人は「頑張っている」ので、
問題として表に出にくい。


赤字案件に共通する「見えない前提」

ここまでの話をまとめると、
赤字案件には共通点があります。

それは、

「このくらいで収まるはず」
という前提で、全部が組み立てられていること

  • 要件は大丈夫なはず
  • 作業量も想定内なはず
  • 現場も回るはず

この「はず」が積み重なるほど、
ブロックパズルは崩れます。
待っているのは不採算になります。


お金のブロックパズルで見ると、何が違うのか?

お金のブロックパズルで考えると、
見積もり前に必ず確認する視点が変わります。

見るのは、これだけです。

  • 売上ブロックは、どこまで確定しているか
  • 人件費ブロックが膨らむ要因はないか
  • 利益ブロックは「余白」があるか

ここで、

「余白がないな」
「人件費が増えそうだな」

と感じた案件は、
受注前から危険案件です。


赤字案件を防ぐために、最低限やること

難しいことは不要です。

見積もり前に、
この3つだけ確認してください。

1️⃣ 要件が変わったら、どこが増えるのか
2️⃣ 想定外が起きたとき、誰が吸収するのか
3️⃣ 利益ブロックは、削られずに残るか

これを言語化できない案件は、
高確率で赤字になります。


第3回のまとめ

今回は、

赤字案件はこうして生まれる
― 見積もり前に決まっている失敗 ―

をテーマにお話ししました。

ポイントは、

  • 赤字は途中ではなく「最初から」決まっている
  • 見積もりは作業だけを見ると危険
  • 「はず」で組んだ案件は崩れる

ということです。


次回予告(第4回)

次回は、

案件別収益を

“感覚”から“数字”に変える方法

をテーマに、

  • ブロックパズルをどう数字に落とすのか
  • Excelで最低限そろえる項目
  • 「これだけ見ればいい」という判断軸

を、かなり実務寄りに解説します。


📩 お問い合わせ・一言

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

もし、

  • 赤字案件の理由を整理したい
  • 見積もり前の判断軸を作りたい
  • 営業と現場の会話を変えたい

と感じた方は、
初回無料相談で一度整理してみてください。

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