2026.5.4
「黒字なのにお金がない…後継者が見落としがちな3つの資金流出」
朝でも昼でもこんばんは。中小企業診断士の”経営数字とAI活用のパートナー”田中 健太郎です。
今日はいつものAIではなく、最近いただくお仕事で多くなっている早期改善計画における
資金繰りについて書いてみたいと思います。
こんな方におすすめ
✅ 決算書では黒字なのに、なぜか手元にお金が残らない
✅ 先代から引き継いだ会社の資金繰りが厳しくなってきた
✅ 売上は順調なのに銀行預金が増えない理由がわからない
✅ 経理担当者から「お金がない」と言われるが理由がピンとこない
✅ 後継者として、お金の流れをしっかり把握したい
はじめに
「決算書は黒字なのに、なぜかお金がない…」
こんな悩みを抱えている経営者の方、特に2代目・3代目の後継者の方からのご相談が本当に多いんです。
実は先月も、年商3億円の建設会社の2代目社長からこんな相談がありました。
「田中さん、決算書を見ると毎年しっかり利益が出ているんです。でも銀行預金は全然増えないし、ボーナス時期になると資金繰りが厳しくなる。先代の時代はこんなことなかったのに…何が悪いんでしょうか?」
もしかして、あなたも同じような状況で困っていませんか?
原因:なぜ「黒字なのにお金がない」現象が起きるのか
この問題、実は多くの後継者が陥る「損益計算書とキャッシュフローの違い」を理解していないことが根本原因です。
損益計算書(P/L)は「儲かったかどうか」を示しますが、キャッシュフローは「実際のお金の出入り」を示します。
例えば:
- 売上1000万円を計上 → でも入金は3ヶ月後
- 設備投資500万円 → 損益計算書には減価償却費として年間100万円ずつ計上、でも支払いは購入時に500万円一括
この違いが、「黒字なのにお金がない」状況を生み出しているんです💦
特に後継者の方は、先代時代の「どんぶり勘定」から脱却しようと数字管理を始めるのですが、P/Lしか見ていないケースが非常に多いんです。
解決策:後継者が見落としがちな3つの資金流出パターン
私が7年間、様々な中小企業を支援してきた中で、特に後継者が見落としがちな資金流出パターンを3つご紹介します。
1. 売掛金の増加による資金流出
症状:売上は伸びているのに現金が減っている
これ、成長企業の後継者が最も見落としがちなパターンです。
売上が月商2000万円から2500万円に成長したとします。一見すると素晴らしい成果ですよね👍
でも、売掛金の回収サイトが2ヶ月だとすると:
- 売上増加分:500万円
- 追加で必要な運転資金:500万円×2ヶ月=1000万円
つまり、売上が伸びれば伸びるほど、運転資金が必要になってしまうんです。
対策:
- 月次で売掛金残高の推移をチェック
- 回収サイトの短縮交渉
- 可能な範囲で前受金や手付金の仕組みを導入
2. 借入元本返済による資金流出
症状:設備投資後、利益は出ているのに資金繰りが苦しい
これも後継者あるあるです。
例えば、工場の機械を1000万円で購入し、5年返済で借り入れたとします。
- 年間の減価償却費:200万円(損益計算書に計上)
- 年間の借入元本返済:200万円(損益計算書には計上されない)
つまり、実際のキャッシュアウトは年間400万円なのに、P/Lには200万円しか費用計上されないんです。
この200万円の差額が、「黒字なのにお金がない」原因の一つになります。
対策:
- 設備投資時は必ずキャッシュフロー予測を作成
- 借入返済計画書を月次資料に含める
- 設備投資の効果測定は3年スパンで実施
3. 経営者報酬・役員賞与による想定外の資金流出
症状:先代時代より業績が良いのに、なぜか現金が残らない
意外と盲点なのがこれ。後継者の方が見落としがちなパターンです。
先代の時代は「経営者報酬月50万円、ボーナスなし」だったのが、後継者になって「月70万円+年間ボーナス200万円」に変わったとします。
年間の差額:
- 月額差額:(70万円-50万円)×12ヶ月=240万円
- ボーナス:200万円
- 合計:440万円の追加キャッシュアウト
この440万円分、以前より多く利益を出さないと、同じキャッシュフローは維持できません。
対策:
- 役員報酬の変更時は年間キャッシュフロー予測を見直し
- 業績連動型の報酬体系を検討
- 退職金積立も含めた長期資金計画を策定
具体例:実際の支援事例から学ぶ改善方法
先ほどお話しした建設会社の2代目社長の事例をもう少し詳しくご紹介します。
【Before:問題発生時の状況】
- 年商:3億円(前年比110%の成長)
- 営業利益:2000万円(利益率6.7%)
- でも現金預金:前年同月比で500万円減少
【原因分析の結果】
- 売掛金が前年比800万円増加(売上成長に伴う運転資金増加)
- 新しい重機購入(1200万円)の借入元本返済が年間240万円
- 2代目社長の報酬を月20万円アップ(年間240万円の追加支出)
【After:改善施策実施後】
- 主要取引先3社の支払いサイトを60日→45日に短縮交渉成功
- 重機のリース契約への変更を検討(次回更新時)
- 役員報酬の業績連動部分を導入
結果として、3ヶ月後には月次キャッシュフローがプラスに転じ、6ヶ月後には預金残高も改善傾向に入りました👏
この社長から後日いただいた言葉が印象的でした:
「先代の時代は『儲かってるかどうか』しか見てませんでした。でも実際に大切なのは『お金が残るかどうか』だったんですね。P/LとB/S、そしてキャッシュフローの3つを見るようになってから、経営の見え方が全然変わりました」
まとめ
「黒字なのにお金がない」という状況は、決して珍しいことではありません。
特に後継者の方は、先代時代とは異なる経営環境の中で、より精緻な数字管理が求められます。
重要なのは:
✅ P/Lだけでなく、キャッシュフローも必ず確認する
✅ 売掛金・借入返済・役員報酬の3つの資金流出を月次でチェック
✅ 設備投資や大きな支出の前にはキャッシュフロー予測を作成する
そして何より、一人で悩まずに専門家と一緒に改善策を検討することをお勧めします💡
FAQ(よくある質問)
Q: キャッシュフロー計算書って難しそうですが、簡単に作る方法はありますか?
A: 最初は簡易版で十分です。「前月末現金残高+今月の入金-今月の出金=今月末現金残高」という式から始めて、慣れてきたら詳細化していけば問題ありません。Excel テンプレートもお渡しできますので、お気軽にご相談ください。
Q: 銀行から「キャッシュフローが悪い」と指摘されました。どう改善すればいいでしょうか?
A: まずは3つのキャッシュフロー(営業・投資・財務)のうち、どこに問題があるかを特定することが重要です。営業キャッシュフローがマイナスなら本業の収益性に課題があり、投資キャッシュフローなら設備投資の タイミングや規模を見直す必要があります。
Q: 後継者として、先代の経営方針とどう折り合いをつければいいでしょうか?
A: 数字を使って客観的に現状を説明することが効果的です。「感覚」ではなく「データ」で話し合いをすることで、建設的な議論ができるようになります。先代の経験値と後継者の数字分析力を組み合わせることで、より強い経営基盤が作れるはずです。
💡 今の業務、どこから改善すればいい?
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※本記事の情報は執筆時点のものです。尚、上記事例は実在する会社ではありません。
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本日のお仕事
今日は1日ClaudeCode!ブログのまとめツールを開発してみた。
なかなか良い感じ。

