知っておいてほしい!Small Language Model(SLM)とは?中小企業や個人でも導入できる軽量AIの活用法

こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。

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といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。

経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。

本日は「小さな会社でも導入できる!生成AI導入ステップと実践活用法」と言うテーマの中身についてそれぞれ詳細を書いておこうと思いましたが、気が変わりました。急遽ここ数日で私が最も気になっているSmall Language Modelというジャンルの生成AIについて書くことにしました。

はじめに

近年、ChatGPTやClaudeのような大規模言語モデル(LLM: Large Language Model)が話題を集めています。しかし、その一方で注目されているのが 「Small Language Model(SLM)」 です。
SLMは、より小規模で効率的に動作する言語モデルであり、企業のニーズや環境によってはLLM以上に実用的な選択肢となり得ます。

この記事では、

  • Small Language Model(SLM)とは何か
  • その使い方・設定方法
  • メリット・デメリット
  • 中小企業や個人でも活用できる具体例

を分かりやすく解説します。

1. Small Language Model(SLM)とは?

Small Language Model(SLM) とは、その名の通り「小規模な言語モデル」です。
ChatGPTのような大規模言語モデル(数千億〜数兆パラメータ)と比べ、数億〜数十億パラメータ程度の規模に設計されています。

特徴

  • 軽量・省リソース
    通常のPCやローカルサーバー、時にはスマホでも動作可能。
  • 高速レスポンス
    小規模なため計算量が少なく、応答が速い。
  • カスタマイズ性
    専門領域に特化したファインチューニングが容易。

代表的なSLM

  • LLaMA 3(Meta)小規模版
  • Mistral 7B
  • Phi-3(Microsoft)
  • Gemma(Google)

これらはいずれも オープンソース として公開されていることが多く、自社環境で動かすことが可能です。


2. Small Language Modelの使い方・設定方法

SLMは「クラウド利用」と「ローカル利用」の2種類の方法で使えます。

2-1. クラウドで使う場合

  • Hugging Face Hubなどのプラットフォームで公開されているモデルを呼び出す。
  • API経由で自社システムに組み込む。
  • Microsoft AzureやAWSのAIサービスで小規模モデルを選択する。

導入が簡単 で、すぐ試せる。

2-2. ローカルで使う場合

  • GPU付きPCやサーバーにモデルをダウンロードして動かす。
  • 「Ollama」や「LM Studio」といったツールを利用すればインストールが容易。
  • オフラインで動作するため、セキュリティ性が高い。→ここが生成AIの導入に躊躇する企業の突破口になるかもしれません。

社内の機密情報を扱う企業に最適

設定の流れ(例:Ollamaの場合)

  1. OllamaをPCにインストール
  2. ターミナルで ollama run mistral のようにコマンド入力
  3. モデルがダウンロードされ、自分のPCで対話可能

※技術知識が少なくても、GUIツールを使えば比較的簡単に導入できます。
※Ollamaは私もインストールしてますが、ダウンロードするモデルのサイズに注意してくださいね。
当然パラメータ数が多いものは非常に重たいので、ダウンロードの時間が長くかかります。
ちなみに私は最軽量のモデルをダウンロードしています。あくまでデモ用なので。


3. Small Language Modelのメリット

SLMを導入することで得られるメリットは以下の通りです。

  1. コストが安い
    LLMは高額なサーバーやクラウド利用料が必要だが、SLMは小規模環境で十分動作。
  2. 高速動作
    軽量設計のため応答が速い。特に短文処理や特化領域では強みを発揮。
  3. セキュリティ性
    ローカル環境で動かせるため、機密データを外部クラウドに送信しなくても済む。
  4. 専門特化が容易
    法律相談、製造業マニュアル、医療用知識など、特定領域に絞ったカスタマイズがしやすい。
  5. 電力効率が良い
    小規模モデルは省電力。環境負荷も軽減できる。

4. Small Language Modelのデメリット

もちろんSLMにも弱点があります。

  1. 知識の広さが限定的
    LLMに比べて学習データが少ないため、幅広い知識を必要とする用途では不利。
  2. 文脈処理能力が弱い
    長文の理解・生成が苦手。数千トークンを超える文脈を扱うのは難しい。
  3. 推論の精度が低い場合がある
    計算能力やパラメータ数が少ないため、曖昧な質問への対応力はLLMに劣る。
  4. カスタマイズに技術力が必要
    ローカル環境で動かす場合、環境構築やチューニングには一定のIT知識が必要。

5. 中小企業・個人での活用例

SLMは、大企業だけでなく 中小企業や個人 にこそ向いています。

活用シーン例

  • 社内FAQボット
    社員がよく質問する業務マニュアルや規則を学習させ、即時回答。
  • 製造業のマニュアル検索
    製品仕様書や作業手順書をモデルに読み込ませて、現場で質問に答える。
  • 営業トーク支援
    顧客属性に応じたクロージングトークを瞬時に生成。
  • 顧客対応の初期窓口
    小規模コールセンターの一次対応として、よくある質問を処理。
  • 教育・研修用ツール
    自社教材を学習させ、研修生の質問に答えるAI講師として利用。

6. SLMとLLMの使い分け

実際には、 SLMとLLMを併用 するのがベストです。

  • LLM向き
    市場調査、長文生成、幅広い知識検索。
  • SLM向き
    特化領域、社内利用、コスト削減。

例えば、マーケティング調査はLLM、社内FAQはSLMといった使い分けをすることで、効率よくAIを導入できます。


まとめ

Small Language Model(SLM)は、

  • 軽量で高速
  • セキュリティ性が高く
  • コストも安い

という特長から、中小企業や個人にとって有力な選択肢となります。

ただし、知識の幅や文脈処理力ではLLMに劣るため、 「用途を絞って導入」 することが成功のカギです。

2025年以降、各クラウドベンダーやオープンソースコミュニティから、さらに使いやすいSLMが次々登場しています。
今後は「LLM+SLMのハイブリッド活用」が標準となり、業務効率化やコスト削減に直結していくでしょう。

問い合わせ

本日は「知っておいてほしい!Small Language Model(SLM)とは?中小企業や個人でも導入できる軽量AIの活用法」と言うテーマで書かせていただきました。
これはきちんと勉強することで本当に使える生成AIを自社で作れてしまいますので、ぜひ覚えておきましょう。
i-consulting officeでは、DX支援、生成AI導入支援を行っています。このSmall Language Modelの導入もお手伝いいたします!
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