【情報システム会社あるあるトラブル編③】赤字案件は、実は見積もり前から決まっている?

朝でも昼でもこんばんは。 中小のシステム会社向けの伴走支援コンサルタント
中小企業診断士の 田中 健太郎 です。

前回は、 「なぜ中小のシステム会社は、案件別利益を把握できないのか?」
というテーマでお話しました。

今回はさらに踏み込んで、 赤字案件は、実は見積もり前から決まっている という、
少し耳の痛い話をしていきます。

こんな方におすすめ

  • 見積もり後に「やっぱり赤字だった」となることが多い方
  • 受注してから工数が膨らみ、現場が疲弊している方
  • 「お客様との関係性」を理由に、無理な見積もりを出してしまう方
  • 案件を断れず、気づけば現場が回らなくなっている方

「見積もり前」から赤字は始まっている

多くの経営者は、 赤字案件が発覚したとき、 こう考えます。

「想定外の追加作業が発生した」 「お客さんの要望が変わった」 「現場の工数管理が甘かった」

確かに、それも理由の一つです。

でも実は、 見積もりを出す前の段階で、
すでに赤字は決まっている ケースが非常に多いのです。


赤字案件が生まれる「3つの入口」

① ヒアリング不足のまま、見積もりを出してしまう

「とりあえず見積もりを出さないと…」

この焦りが、 最初の落とし穴です。

お客様の要望が曖昧なまま、 「だいたいこれくらいでできるだろう」
という前提で見積もりを出してしまうと、

  • 後から「これもお願い」が増える
  • 実はお客様も要件を整理できていなかった
  • 「言った・言わない」のトラブルに発展する

結果、 工数が見積もりの1.5倍、2倍に膨らんでいく ことになります。
よくあるのが、とりあえず「どれくらいするのか見積出してよ!」という話。
安易に見積を出さないように注意しましょう。
私も前職では安易に出そうとしてよく怒られてました・・・


② 「関係性」を理由に、価格を下げてしまう

「長い付き合いだし…」 「次もあるかもしれないし…」 「競合がこの価格らしいし…」

こうした理由で、 利益が出ない価格で受けてしまう ケースは、中小のシステム会社ではよくあります。

気持ちは分かります。 でも、冷静に考えてください。

赤字で受けた案件は、 社員を疲弊させ、 会社のキャッシュを削り、 次の成長への投資を奪います。

「関係性」を守るはずが、 結果的に自社を傷つけているのです。

私の事例だと、「次があるかもよ?」とにおわせて値下げを強いる担当者がいるような会社で
受注がとれたためしはありません。また、社内を必死で説得して、値下げしてきたにも関わらず、
その担当者がそのことを恩義に感じてくれることはありません。ということは言っておきます。

さらにたちが悪いのが、そういう担当者が想定以上に権力がなく、
「上が決めたから!」というパターンが多かったと記憶しています。


③ 「やりたい」と「やれる」を混同してしまう

技術的に面白そう

実績になりそう

新しい領域にチャレンジしたい

こうした想いは、 エンジニアにとって大切なモチベーションです。

でも、 経営判断としては危険です。

なぜなら、

  • 初めての領域は、工数が読めない
  • トラブル対応の時間も読めない
  • 社内にノウハウがないため、属人化しやすい

つまり、 「やりたい」は分かるが、 「やれる体制か?」「儲かる構造か?」 を見極めないまま受注してしまう と、赤字の入口に立つことになります。

私の場合もよくありました。なぜ、SEは新しい業界にチャレンジしないのか?
と思っていた時がありました。
体制、構造もそうですがそもそも品質も担保できないですね。なので気をつけましょう!


見積もり前に確認すべき「3つの問い」

私が伴走支援の中でお伝えしているのは、 見積もりを出す前に、この3つを確認することです。

① この案件、要件は明確か?

  • お客様は「何を」「いつまでに」「どのレベルで」欲しいのか?
  • 要件が曖昧なまま、見積もりを出していないか?
  • 追加作業が発生しそうなリスクはないか?

② この案件、利益が出る構造か?

  • 工数×単価で計算して、粗利は確保できるか?
  • 想定工数が1.2倍になっても、赤字にならないか?
  • 「お金のブロックパズル」で整理したとき、成立するか?

③ この案件、今の体制で対応できるか?

  • 既存案件との兼ね合いは大丈夫か?
  • 特定のエンジニアに負担が集中しないか?
  • トラブル対応の余力は残っているか?

この3つを、 見積もりを出す前に確認するだけで、 赤字案件の8割は防げます。


「断る勇気」が、会社を守る

「でも、断ったらお客さんとの関係が…」

その気持ち、よく分かります。

でも、 赤字で受けた案件は、 必ず現場にしわ寄せがいきます。

  • 残業が増える
  • 納期に追われる
  • モチベーションが下がる
  • 優秀な社員が辞めていく

これでは、 「お客様との関係」を守るために、 社員と会社を犠牲にしている ことになります。

だからこそ、 「断る勇気」が必要なのです。

断ることは、 お客様を裏切ることではありません。

自社の体制を守り、 お客様に最高の品質を提供し続けるための、 誠実な判断です。


伴走支援で行う「見積もり前チェック」

私の伴走支援では、 見積もりを出す前に、 一緒にこんな整理を行います。

  • この案件の要件は明確か?(ヒアリングシートで整理)
  • 利益が出る構造か?(お金のブロックパズルで可視化)
  • 今の体制で対応できるか?(工数シミュレーション)

そして、 「受けるべき案件」と「慎重に判断すべき案件」 を、一緒に見極めていきます。

これは、 経営者一人で抱え込む必要はありません。

むしろ、 第三者の視点があるからこそ、 冷静に判断できるのです。


まとめ

  • 赤字案件は、見積もり前から始まっている
  • ヒアリング不足・関係性での値下げ・体制の見誤りが主な原因
  • 見積もり前に「要件・利益・体制」の3つを確認するだけで、8割は防げる
  • 「断る勇気」が、会社と社員を守る

次回は、 「現場が疲弊する本当の理由は『案件の取り方』にある」 というテーマで、 営業と現場の溝を埋める話をしていきます。


中小のシステム会社の経営者の皆さんが 赤字案件で悩むのは、今日で最後になれば幸いです。

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