
2025.9.11
攻めのAI活用シリーズ 第5回:攻めのAI活用を定着させる仕組みづくり~中小企業が継続的に成果を出すために~
こんにちは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。
経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日は「攻めのAI活用シリーズ 第5回:攻めのAI活用を定着させる仕組みづくり~中小企業が継続的に成果を出すために~」と言うテーマで書いてみます。DXをテーマにした場合でもよくあるのが、研修して満足!導入して終わり!というパターンが見受けられます。ちょっとした動きでもう使いない仕組みと判断されホコリかぶったシステムをどれだけ見てきたいことか・・・。
そうならないための定着するために社内の仕組化は重要です。本日はどうやったら「仕組化」が実現するのかを書いています。
はじめに
これまで「攻めのAI活用シリーズ」では、中小企業が生成AIを活用して新しい売上を生み出す方法を紹介してきました。
最終回となる今回は、「AIを導入したものの、日々の業務に定着しない」という課題を解決するために、定着させる仕組みづくりについて解説します。
AIは「一時的なアイデア出し」や「試しに使ってみた」で終わると、コストに見合った成果を生みません。むしろ、「社員全員が使える環境」「活用を継続する仕組み」「改善を繰り返す体制」が整ってこそ、本当の攻めのAI活用が実現します。
1. なぜAIは“定着”しにくいのか?
中小企業でAI活用が続かない理由を整理すると、以下のようなものがあります。
- 使い方が属人化している
一部の担当者だけが試しに使っているが、組織全体に広がらない。 - 目的が曖昧
「便利そうだから導入した」程度で、成果指標(KPI)が設定されていない。 - 教育・研修が不足
従業員が「AIは難しい」「自分には関係ない」と思い、利用が進まない。 - 日々の業務に組み込まれていない
結局Excelやメールで従来どおりの仕事をしてしまい、AIは“余計な手間”と感じられる。
つまり、AIの効果を最大化するには 「仕組みで使わせる」 ことが重要です。
2. 攻めのAI活用を定着させる3つの仕組み
① 業務フローにAIを組み込む
AIを「オプション」で使うのではなく、業務プロセスの標準手順に組み込むことが大切です。
例:営業部門の場合
- 従来の流れ:顧客情報収集 → 提案資料作成 → 上司レビュー
- AI活用後の流れ:顧客情報収集(AIで要約) → 提案資料たたき台作成(AI自動化) → 上司レビュー
つまり「AIを使わないと業務が進まない」状態を作るというのも一つの方法です。
② 成果を“見える化”する
AI活用は目に見えないと「やっている意味があるのか?」と疑問視されます。そこで、数値や成果を見える化しましょう。
例:
- 営業メールの作成時間 → AI導入前:1通30分 → 導入後:10分
- 提案資料の初稿作成時間 → AI導入前:半日 → 導入後:1時間
- 顧客満足度アンケート → 「資料が分かりやすい」と回答する割合が20%増加
こうした効果を社内で共有することで、社員が「AIを使った方が得だ」と実感できます。
③ 社員教育と習慣化
AI活用は一部の“得意な人”に任せるのではなく、社員全員が使える環境づくりが必須です。
- 定期的な研修:「ChatGPTでExcel関数を作る方法」や「営業メールを自動化する方法」などテーマ別研修を実施。
- マニュアル整備:「AIで提案資料を作る手順書」「AIで議事録を作るテンプレート」を配布。
- 社内コミュニティ:TeamsやSlackに「AI活用チャンネル」を作り、使い方や成功事例をシェア。
習慣化するためには、小さな成功体験の積み重ねが不可欠です。
3. 中小企業向けおすすめAIツールと仕組み化のヒント
ここで、中小企業が比較的低コストで導入しやすく、定着に向いているツールを紹介します。
ツール | 活用シーン | 定着化の工夫 |
---|---|---|
Microsoft 365 Copilot | Word・Excel・PowerPointの作業効率化 | 社員研修で「AIで作った資料」を発表してもらう |
ChatGPT (GPT-4/4o) | メール作成、議事録要約、アイデア出し | 部門ごとに“推奨プロンプト集”を配布 |
Notion AI | 社内マニュアル、議事録、ナレッジ管理 | 全社員が閲覧できる「AI活用事例DB」を作成 |
Canva + AI機能 | チラシ・SNS画像作成 | マーケティング担当が毎週1本「AIで作成した画像」を発表 |
音声文字起こしAI(AmiVoice, Whisper等) | 会議の議事録、電話メモ | 「議事録はAI作成が基本」とルール化 |
ツール単体ではなく、ルールと仕組みに落とし込むことが重要です。
4. 実際の中小企業での定着事例
事例①:製造業(部品加工業)
- 課題:見積書作成に毎回2時間以上かかっていた
- AI活用:過去の見積データをAIに学習させ、たたき台を自動生成
- 仕組み化:見積作成時は必ずAI案をベースにするルールを導入
- 成果:作業時間が70%削減、受注スピードが向上
事例②:建設業(地場工務店)
- 課題:お客様への提案資料が属人化し、作成にムラがあった
- AI活用:ChatGPTで「標準提案書テンプレート」を作成
- 仕組み化:営業担当は必ずAIテンプレを活用 → 上司チェック
- 成果:資料の統一感UP、受注率10%向上
事例③:サービス業(観光業)
- 課題:SNS発信が担当者の負担になり、更新が滞る
- AI活用:CanvaのAI機能で自動投稿用素材を作成
- 仕組み化:毎週月曜にAIで投稿案を3つ作成 → 火曜に確認して配信
- 成果:更新頻度が安定、フォロワーが前年比150%増
5. 定着のカギは「経営者の関与」
最後に強調したいのは、経営者自身がAIを使ってみることです。
- 社長が会議で「AIでまとめたレポート」を示す
- 日報のチェックをAI要約に置き換える
- 自らSNS発信にAIを活用してみる
経営者が活用していれば、社員も自然と追随します。逆に「現場に丸投げ」だと、AIは形骸化してしまいます。
まとめ
AIは「導入すること」が目的ではなく、業務に定着させて成果を出し続けることが重要です。
- 業務フローに組み込む
- 成果を見える化する
- 社員教育で習慣化する
- ツールを仕組みに落とし込む
- 経営者が率先して使う
これらを実行することで、中小企業でも「攻めのAI活用」を継続でき、売上アップや競争力強化につながります。
問い合わせ
本日は「攻めのAI活用シリーズ 第5回:攻めのAI活用を定着させる仕組みづくり~中小企業が継続的に成果を出すために~」というテーマで書かせていただきました。特に「攻めのAI活用を定着させる3つの仕組み」の部分はDXにも通じるものがありますので参考になれば幸いです。
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本日のお仕事
本日は、引き続きネットワーク研修に向けての資料作りです。これが本当に進まない!いい加減にしないと!あとはこれまた締め切りが近い、「補助金セミナー」の資料作成。これも非常にヤバい!
・ネットワーク研修の資料作成
・補助金セミナーの資料作成
・Y社 経営診断の資料作成
・就労支援事業所のコンサルティングのためのキックオフミーティング
いろいろとやることはある!頑張ろう!