
2025.9.12
建設業向けDX・AI活用シリーズ 第1回~建設業DXの現状と課題~
こんにちは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。
経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第1回~建設業DXの現状と課題~」と言うテーマで書いてみます。最近はちょいちょい建設業関連の事業者様とご縁がありますので、建設業に関するDX・AI活用を考えたらどんなことができるのだろう?という考えから今シリーズをやってみようと考えました。
はじめに
近年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「AI活用」といった言葉が多くの業界で聞かれるようになりました。建設業も例外ではなく、国土交通省が掲げる「i-Construction」や「BIM/CIM推進」など、国をあげた取り組みが進んでいます。しかし一方で、中小規模の建設会社では「うちの会社には難しい」「コストが高そう」「現場で本当に役立つのか?」といった疑問や不安の声も少なくありません。
本シリーズの第1回では、建設業におけるDX・AI活用の「全体像」を整理しながら、現状の課題や背景をわかりやすく解説します。
1. 建設業を取り巻く環境変化
建設業は日本の基幹産業の一つですが、今大きな転換期を迎えています。
- 人手不足の深刻化
若年層の入職者が減少し、技能者の高齢化が進んでいます。特に地方の中小建設業では後継者不足が顕著で、人材確保が大きな経営課題です。 - 労働時間の上限規制(働き方改革関連法)
2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、従来の「長時間労働に頼る体質」からの脱却が急務となりました。 - 発注者からの要求水準の高度化
公共工事・民間工事を問わず、品質・コスト・納期の全てにおいて高いレベルが求められています。従来の「経験と勘」に頼ったやり方では限界が見えてきました。 - デジタル化の遅れ
建設業は「紙文化」が根強く、FAX・手書き帳票・エクセルによる手作業が残っている企業も多いのが実情です。
こうした課題に対して、DXとAIが大きな解決策として注目されています。
2. 国交省が進めるDX施策(i-ConstructionとBIM/CIM)
国土交通省は、建設業界の生産性を向上させるために「i-Construction」や「BIM/CIM活用」を推進しています。
- i-Construction
ICTを全面的に活用し、測量・設計・施工・維持管理までのプロセスを効率化する取り組みです。ドローン測量、ICT建機、3Dデータの活用などがその一例です。 - BIM/CIM
建物(Building)や土木(Civil)の情報を3Dモデルで一元管理する仕組み。設計段階から3Dデータを活用し、施工の干渉チェックや維持管理までスムーズにつなげることができます。
こうした動きはゼネコンや大手建設会社が中心ですが、今後は中小企業にも波及していくと予想されます。
3. 中小建設業におけるDXの課題
「DXが必要」と分かっていても、中小規模の建設会社には特有のハードルがあります。
- 導入コストが高いのでは?
AIやBIMと聞くと「高額システム」をイメージしがちですが、実際はクラウド型サービスやサブスクリプション型のツールも増えており、スモールスタートも可能です。 - IT人材がいない
多くの中小建設業では社内に専任のIT担当者が不在です。そのため「導入しても運用できないのでは?」という懸念があります。 - 現場との温度差
経営者がDXを推進しても、現場社員から「今のやり方で十分」「新しいツールは面倒だ」と抵抗が出るケースもあります。 - 成果が見えにくい
すぐに売上や利益に直結しにくいため、効果が実感できずに頓挫してしまう企業も少なくありません。
4. AI・DXがもたらす可能性
こうした課題を踏まえても、AI・DXには建設業の未来を大きく変える力があります。
- 工程管理の効率化
AIが過去の施工データを学習し、最適な工程表を自動で作成。納期遅延を防止できます。 - 安全管理の強化
現場のカメラ映像をAIが解析し、ヘルメット未着用や危険行動を自動検知することで事故を未然に防止。 - 事務作業の削減
AIを使った見積書作成や日報の自動入力により、現場監督が本来の業務に集中できるようになります。 - 人材不足対策
AIやDXによる効率化で「少人数でも回る現場づくり」が可能になり、若手にも魅力的な職場環境を提供できます。
5. 中小建設業がDXを始める第一歩
では、実際に中小企業が取り組むにはどうすればよいのでしょうか?
- 小さな成功体験を作る
いきなり大規模システムを導入せず、まずは「AIによる議事録作成」「Excel作業の自動化」など、身近なところから始める。 - 現場と一緒に考える
経営者が一方的に進めるのではなく、現場社員の声を取り入れながらツールを導入する。 - 補助金を活用する
IT導入補助金やものづくり補助金を使えば、費用負担を抑えてDXに取り組めます。 - 外部専門家を活用する
中小企業診断士やITコーディネーター、地域のDX推進支援機関に相談しながら進めるのが有効です。
まとめ
建設業界は今まさに「DX・AI活用なしには生き残れない」時代に突入しています。
人手不足・働き方改革・発注者からの要求水準の高まりといった課題を乗り越えるためには、デジタルの力が欠かせません。
第1回では「建設業DXの現状と課題」を整理しました。
次回の第2回では、現場効率化に効くAI活用事例を具体的に紹介します。
問い合わせ
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第1回~建設業DXの現状と課題~」というテーマで書かせていただきました。中小企業の建設業はDXやAI活用は遅れているというデータなどを頻繁に目にすることが多いです。しかし、逆手にとれば早めにDX・AI活用を進めた企業が一歩抜きんでる可能性が高いと考えられます。ぜひ、DX/AI活用の検討を進めてみてください。
ちなみにi-consulting officeでは、これからDXを考えたいけどどうすればいいかわからないという企業向けのDX推進のために従業員に他人事から自分事に考え方を変えてもらう研修を実施しています。
ご興味ご関心のある方はぜひ、お問い合わせください。
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宜しくお願いします。
本日のお仕事
本日は、久留米から返す刀で糟屋郡へなかなかの移動距離でした。
・久留米にて就労支援企業とお打ち合わせ
・糟屋郡にてグッズ制作の新規事業を行う事業者さんとお打ち合わせ。
・ネットワーク研修の資料作成
やっぱ、報告書作成が非常に面倒。何とかしたい。