2025.12.11
事業計画書作成シリーズ 全5回【第4回】AIで数値を作りこむ技術― 面倒な数字部分を10分で“モデル化”する―
朝の投稿でも昼の投稿でもこんばんは。
i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。
そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。
- DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない。
- 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
- 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
- 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。
といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!
本日は「事業計画書作成シリーズ 全5回【第4回】AIで数値を作りこむ技術― 面倒な数字部分を10分で“モデル化”する―」です。
🔰 こんな方におススメです
- 事業計画書の「数字部分」が苦手で毎回作成に時間がかかる
- Excelが得意ではないが、計画書レベルの数字は作らないといけない
- Copilot(コパイロット)を実務にどう使えばいいのかイメージできていない
- “数字の裏付けが弱い”と支援機関や金融機関から指摘されたことがある
- ひとりで作りきるのが不安で、中小企業診断士と一緒に作りたい
事業計画書の中で、最も経営者を悩ませる部分。
それが 「数字(計画値)の作成」 です。
実際、ほぼ全ての経営者が口を揃えてこういいます。
「文章より、数字の方がよっぽど難しい…」
でも、安心してください。
今はExcel × Copilotを組み合わせれば “10分でモデル化” が可能な時代です。
そして、AIで数値を“作る”だけでなく
診断士が横について一緒に作ると「意思決定に使える数字」になる
—これこそが今回お伝えしたい最大のポイントです。
1.事業計画書に本当に必要な「入力項目」一覧
数字部分を作るうえで、必要な項目は業種によって若干違いますが
どの支援機関でも共通して使われる“鉄板項目”は実はそんなに多くありません。
以下は金融機関・経営計画で実際に使われる最低限の構成です。
■ 売上関連
- 売上高(商品別・サービス別)
- 客数、客単価、購入回数
- 外注費(製造業・建設業・システム開発など)
■ 原価・仕入れ
- 仕入原価(材料費・商品仕入)
- 外注加工費
- 変動費率(売上に比例して増える費用)
■ 固定費
- 人件費(役員報酬/従業員給与/法定福利費)
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- 車両費
- その他経費(消耗品費 etc.)
■ 設備投資・資金繰り
- 投資金額(機械・店舗・IT等)
- 償却年数
- 借入金額
- 返済額(月次)
■ PL(損益計算)の結果
- 売上総利益
- 営業利益
- 経常利益
- キャッシュフロー(簡易版でOK)
👉 これ以上でも、これ以下でもありません。
むしろ、Copilotで作るなら項目はシンプルな方がモデル化しやすいです。
2.Excel × Copilotで「10分モデル化」する全体像
Copilotが最も力を発揮するのは次の3つです。
① 過去データから売上予測モデルを作る
Excelに売上の月次データが入っていれば、Copilotにこう指示します。
「この売上データから翌年度の売上予測を3パターン(保守・標準・攻め)で作成して」
Copilotは過去推移のトレンドを判断し、
“伸び率を変えた3パターンの売上モデル” を自動で作ってくれます。
② 数値シミュレーション(増員・投資・値上げなど)
事業計画で評価されるのは「シミュレーション能力」。
たとえば:
- 人を1人採用したら?
- 新店舗を出したら?
- 10%値上げしたら?
- 広告を月20万円かけたら?
Copilotに次のように指示します。
「従業員を1名増やした場合の5年間の利益インパクトを出して」
「平均単価を8%値上げした場合の損益分岐点を再計算して」
これだけで“経営判断に使える数字”が瞬時に出てきます。
③ PL簡易予測・月次計画の自動生成
事業計画書の必須ページである「5年計画表」
—実はCopilotが最も得意とする分野です。
「このデータを使って5年分のPLを、保守・標準・攻めの3パターンで作成して」
すると、
✔ 売上高
✔ 売上総利益
✔ 営業利益
✔ 経常利益
の5年分の推移が自動で整形されます。
月次計画も同様です。
「2025年の年間計画を12か月に自動配分して、季節変動も反映して」
といえば、過去の季節性を加味しながら月別売上モデルを作ってくれます。
3.すぐ使える!Copilotへのプロンプト例
ここに書いてあるものは、実務で「本当に使える」内容だけを掲載しています。
◆ 売上予測
この売上データを読み込み、翌年度の売上予測を
・保守的
・標準
・攻め
の3パターンで作成してください。
前年度比の増減根拠も説明してください。
◆ 投資判断(設備投資・採用)
このシートの費用構成を使い、
・従業員を1名増員した場合
・月額30万円の機械を導入した場合
の2パターンの5年利益予測を作成して。
回収期間と損益分岐点も算出して。
◆ PLの自動生成
このデータを基に、5年間のPL(売上総利益・営業利益・経常利益)を
保守・標準・攻めの3パターンで作成し、それぞれの前提条件を表にして。
◆ 月次計画の自動化
2024年の年間売上予測を、過去3年間の季節変動を参考にして
12か月に配分した月次計画表を作成して。
4.「AIだけで作れる数値」と「意思決定に使える数値」は違う
実はここが、経営者が最も勘違いしやすいポイントです。
AIは“計算”は得意ですが、
- 数字が現実的か
- 融資担当がどう見るか
- 補助金の審査で通るか
- 経営戦略と矛盾していないか
ここまでは判断してくれません。
だからこそ、
✨ AI × 中小企業診断士の“共同作業”が最強
Copilotが「作る」のは早い。
でも診断士が入ると次の効果が生まれます。
■ ① 数字の前提が“経営と整合しているか”をチェックできる
AIは「前提条件が矛盾していても平気で計算を進めます」。
ここを補正して、実行可能な数字に整えるのが診断士の役割。
■ ② 融資・補助金で評価される“ロジックの強い数字”になる
金融機関は数字そのものより
「どうしてその数字になるの?」 を必ず聞きます。
AIでは書けない、“経営者の意図に基づく数字の根拠”
ここを一緒につくると計画書の説得力が一気に上がります。
■ ③ 経営判断につながる「意思決定の数字」になる
・投資してよいのか?
・何人採用すると黒字になるのか?
・値上げしたら利益はどうなるのか?
こうした“判断軸として使える数字”を作るには、
経営の現場を知る専門家の視点が欠かせません。
5.経営者が一人で作るのは大変だから中小企業診断士と一緒に作りましょう!
本シリーズのテーマは
“AIで作る”のではなく “AIと一緒に作る”ための指南書 です。
数字づくりは、AIで作業時間を10分の1にできます。
でも、数字の“質”は AIだけでは上げられません。
✨ AIが計算を、診断士が判断を補う
この組み合わせは、実は最も再現性が高く、
金融機関にも評価されやすい「現代版の事業計画づくり」です。
ひとりで作るより
“AIに強い中小企業診断士と一緒に作る”方が圧倒的に楽で、完成度が高くなる
—これが本記事で伝えたい結論です。
まとめ
AIで数字をつくるのは、もう難しくありません。
- Excel × Copilotで10分モデリング
- 過去データから自動売上予測
- シミュレーションで意思決定
- PL・月次計画も自動生成
そして、
AI × 中小企業診断士で作れば「説得力のある数字」「判断に使える数字」が完成する。
次回は「第5回:AIで仕上げた事業計画を“通る計画書”にする最終チェック」です。
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本日は「事業計画書作成シリーズ 全5回【第4回】AIで数値を作りこむ技術― 面倒な数字部分を10分で“モデル化”する―」というテーマのブログを書かせていただきました。
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