2025.12.21
【第4回】KPIは「毎月どう使うか」が9割― AIで回す月次レビューと改善サイクル ―
朝の投稿でも昼の投稿でもこんばんは。
i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。
そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。
- DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない。
- 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
- 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
- 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。
といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!
本日は「【第4回】KPIは「毎月どう使うか」が9割― AIで回す月次レビューと改善サイクル ―」です。まさにこれ、KPIや目標を作ってもそれに対して現在どのような状況なのか?うまくいっててもそうでなくてもこれはきちんと確認してなぜそうなっているのかを把握しておいた方がよいと思う。
📌こんな方におすすめ
- KPI表は作ったが、結局あまり見ていない
- 月次会議で数字を見ても、結論が出ない
- KPIレビューが「報告会」で終わっている
- 改善の話になると、感覚論・精神論になりがち
- KPIを“回す仕組み”を作りたい
第3回までで
「KPIを考え、Excelに落とすところまではできた」
という方に向けた、一番重要な回です。
⚠️ KPIが形骸化する最大の原因は「使い方」
これまで多くの現場を見てきて、
KPIが使われなくなる最大の理由は、非常にシンプルです。
毎月の使い方が決まっていない
これに尽きます。
- いつ見るのか
- 誰が見るのか
- 何を話すのか
が決まっていないKPIは、
どんなに良く設計しても必ず止まります。
🔄 KPIは「月次レビュー」で初めて意味を持つ
KPIは、
「数字を並べるためのもの」ではありません。
本来の役割はこれです👇
数字を使って、次の一手を決めること
そのために必要なのが、
**月次レビューの“型”**です。
🧩 まず決めるべき「月次レビューの基本ルール」
難しいことは不要です。
最低限、次の3つを決めます。
① 毎月いつ見るか
- 月次会議の最初10〜15分
- 必ず「最初」に見る(後回しにしない)
② どのKPIを見るか
- 全部見ない
- 今月の重点KPI 2〜3個だけ
③ 何を話すか
- 良い/悪いの評価
- ではなく
- 「なぜそうなったか」「次に何を変えるか」
これだけで、KPIの空気が変わります。
🗣 KPIレビューで必ず出すべき3つの問い
月次レビューでは、
毎回この3つだけを問いかけます。
1️⃣ 今月、数字はどうだったか?
2️⃣ そうなった「要因」は何か?
3️⃣ 来月、何を1つ変えるか?
👉 必ず「3️⃣」まで出す
これが最大のポイントです。
🤖 AIが活きるのは「レビューの整理役」
ここで生成AI(ChatGPT)の出番です。
AIは、判断はしませんが、
整理と見える化は非常に得意です。
📝 月次レビューを支援するChatGPTプロンプト例
✅ プロンプト①:KPI結果を整理する
以下は今月のKPI実績です。
KPI名/目標/実績/前月比を示します。依頼:
・数字の変化を要因別に整理してください
・事実ベースで、推測は分けて書いてください
・経営会議で使える文章にまとめてください
👉 感覚論を排除できます。
✅ プロンプト②:次アクション案を出す
次のKPIが未達でした。
現場負荷を大きく増やさずに試せる
改善アクションを3案出してください。条件:
・今月中に着手可能
・追加コストは最小限
👉 「じゃあ何をする?」が止まらなくなります。
✅ プロンプト③:月次レポート文章を作る
以下のKPIレビュー内容をもとに、
月次レポート用の文章を300文字以内で作成してください。構成:
・今月の総括
・良かった点
・改善が必要な点
・来月の重点施策
👉 報告資料作成の時間が一気に短縮されます。
📊 KPIレビューが「報告会」になる会社の特徴
逆に、うまくいかない会社には共通点があります。
- 数字の読み上げで終わる
- 原因が「頑張り不足」になる
- 次アクションが曖昧
- 翌月、同じ話を繰り返す
これはKPIの問題ではなく、
レビュー設計の問題です。
🧠 KPIレビューを“改善サイクル”に変えるコツ
✅ コツ①:完璧を求めない
- 仮説でOK
- 間違っていたら翌月修正
✅ コツ②:アクションは1つでいい
- たくさん決めない
- **「これだけやる」**を決める
✅ コツ③:数字と人事評価を切り離す
- KPIレビューは改善の場
- 評価は別の場で
これができると、
KPIが「責められる数字」から「助ける数字」に変わります。
🔄 KPI × AIで回る「改善サイクル」
まとめると、理想の流れはこうです👇
- KPIをExcelで可視化
- 月次で数字を見る
- ChatGPTで要因を整理
- 次アクションを1つ決める
- 翌月、結果を確認
これを繰り返すだけです。
派手なDXは不要です。
回り続ける仕組みが何より重要です。
🔜 次回予告(第5回)
【第5回】KPIが現場に浸透しない会社の処方箋
― AIだけでは越えられない“人の壁” ―
次回は、
- KPIに対する現場の抵抗感
- 「管理されている」と感じさせない工夫
- AI × コンサル(第三者)が効く理由
を、人の側面から掘り下げます。
✍️ 第4回まとめ
- KPIは「毎月どう使うか」で9割決まる
- 月次レビューには“型”が必要
- AIは判断ではなく「整理役」として使う
- 次アクションを必ず決める
- KPIレビューは改善の場であり、評価の場ではない
ここまでできると、
KPIはもう「作って終わり」にはなりません。
と、まとめつつ続きを残しておきます。
【第4回・実務補足】
KPIを“回す”ための月次レビュー用テンプレ集
― Excelと文章を「型」で揃える ―
📊① 月次レビュー用 Excelテンプレ(基本形)
✅ シート名例:
「KPI月次レビュー」
🔹 上段:レビュー対象月の情報(固定)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象月 | 2025年〇月 |
| レビュー日 | 〇年〇月〇日 |
| 参加者 | 社長/営業責任者 など |
| 今月の重点テーマ | 例:既存顧客の深耕 |
👉 **「今月は何を見る月なのか」**を明確にします。
🔹 中段:KPIレビュー表(最重要)
| KPI名 | 目標 | 実績 | 前月比 | 達成率 | 主な要因(事実) | 気づき・仮説 | 次アクション |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 商談件数 | 20 | 15 | ▲3 | 75% | 新規アポ数減少 | 既存フォロー不足 | 既存客への定期接触を週1実施 |
| 客単価 | 50万 | 55万 | +3万 | 110% | セット提案増 | 提案内容が刺さった | セット提案を標準化 |
🔑 ポイント
- 「要因(事実)」と「仮説」を分ける
- 次アクションは 必ず1つ
- KPIは 2〜3個まで
🔹 下段:今月のまとめ(超重要)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 今月うまくいった点 | 例:単価アップ施策が有効 |
| 課題 | 例:新規アポ創出 |
| 来月の重点KPI | 例:商談件数 |
| 来月の重点アクション | 例:既存客定期訪問 |
👉 この4項目が埋まれば、レビューは成功です。
📝② 月次レビュー用「文章テンプレ」(そのまま使える)
✅ テンプレ①:月次総括コメント(200〜300字)
今月は〇〇を重点テーマとしてKPI運用を行った。
結果として、〇〇のKPIは目標を上回った一方、〇〇は未達となった。
達成できた要因としては〇〇が挙げられる。
一方、未達の要因は〇〇であり、対応が十分でなかった点が課題である。
来月は〇〇を重点KPIとし、〇〇の改善に注力する。
✅ テンプレ②:KPI別コメント(1指標あたり100字程度)
〇〇のKPIは目標〇〇に対し実績〇〇となった。
主な要因は〇〇である。
来月は〇〇を改善策として実行する。
✅ テンプレ③:来月アクション宣言(短文)
来月は〇〇を重点施策とし、〇〇を実施することでKPI改善を図る。
👉 短く・具体的にがコツです。
🤖③ ChatGPTと組み合わせる場合の使い方(安全運用)
🔹 Excel → ChatGPTに渡す情報(最低限)
- KPI名
- 目標/実績
- 前月比
- 自分たちで書いた「事実メモ」(重要)
※ 事実を人が入れるのがウソ防止ポイントです。
✅ プロンプト例:月次レビュー文章作成
以下は今月のKPIレビュー情報です。
事実情報をもとに、月次レビュー用の文章を作成してください。条件:
・事実と仮説を分けて表現する
・断定しすぎない
・300文字以内【KPI情報】
KPI名:〇〇
目標:〇〇
実績:〇〇
事実メモ:〇〇
👉 **「考察の言語化支援」**として使うのが正解です。
⚠️ 月次レビューでやってはいけないこと
- AIに「原因を決めさせる」
- 数字が悪い=人の問題にする
- アクションを複数決める
- レビューを後回しにする
これを避けるだけで、
KPI運用の成功率は大きく上がります。
🔄 KPI月次レビューの理想サイクル(再確認)
- ExcelでKPIを可視化
- 月次レビュー(10〜15分)
- ChatGPTで整理・文章化
- 次アクションを1つ決定
- 翌月、結果を確認
👉 このサイクルが回っていればDXは成功です。
✍️ 第4回・追記まとめ
- KPIは「レビュー用テンプレ」で回り始める
- Excelは1シートで十分
- 文章は「型」を用意する
- AIは整理・言語化の補助役
- 判断と意思決定は人が行う
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本日は「【第4回】KPIは「毎月どう使うか」が9割― AIで回す月次レビューと改善サイクル ―」というテーマのブログを書かせていただきました。
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