次世代経営者育成講座シリーズ 食品卸売業編①     継ぐ前に知っておきたい、決算書が読めないと起きる3つの落とし穴  

朝でも昼でもこんばんは。〝次世代経営者育成パートナー〟中小企業診断士の田中 健太郎です。

本日から新シリーズ「親(社長)が子供(後継者)に受けてほしい 次世代経営者育成講座シリーズ 食品卸売業編」をお届けします。実際にお会いした経営者・後継者の方々のお悩みをベースに再構成した、あくまで架空のストーリーです。第1回のテーマは「決算書が読めないと起きる3つの落とし穴」です。

私がこの講座を始めたのは、事業承継の現場で「営業や現場は任せられるのに、数字だけは引き継げていない」という後継者の方を何人も見てきたからです。教えてもらう機会がなかっただけで、数字が苦手な後継者はいません。だったら、自社の実際の数字を使って、一緒に考えながらその力を作っていこう。そう思って立ち上げたのがこの講座です。

※本ブログに登場する会社・人物はすべて架空です。特定の支援先を指すものではありません。

こんな方におすすめ

  • 後継者に決算書の見方を教えたいが、何から始めればいいかわからない
  • 後継者自身、営業成績には自信があるが数字の話になると自信がない
  • 銀行との面談で数字の質問に答えられず焦った経験がある
  • 税理士に任せきりで、自社の決算書をちゃんと見たことがない
  • 事業承継を控えているが、何を準備すればいいか漠然としている

はじめに

「後継者の方は、経営数字をどの程度把握されていますか?」

ある食品卸売業の社長が、銀行の融資面談でこう聞かれ、言葉に詰まったそうです。「営業は任せられる。でも数字はまだ早いと思っていた」と、後から私に話してくれました。

こんな悩み、ありませんか。私が支援してきた経営者の方からも、似た話をよく聞きます。後継者自身も「営業成績には自信があるが、決算書を見せられても正直ピンとこない」と感じているケースがほとんどです。

落とし穴1、感覚経営から抜け出せない

決算書が読めないと、判断の軸が「感覚」になります。「なんとなく今期は調子がいい」「あの取引先は昔からの付き合いだから大丈夫」。これでは、事業を継いだ瞬間に判断の拠り所を失います。

従業員28名の食品卸、みなと食品(仮名)の後継者Kさんは、大手食品メーカーで3年間営業を経験してから入社しました。数字にはそれなりに強いつもりでいましたが、自社の決算書を初めて見せられたとき、売上と利益のつながりがまったく見えなかったそうです。「営業畑で見ていた数字と、経営で見る数字は別物なんですね」と、Kさんは苦笑いしていました。

落とし穴2、金融機関との関係が危うくなる

なぜ銀行は後継者の数字理解を気にするのか。融資の審査は「今の社長」だけでなく「次の代でも返済できるか」を見ているからです。ここで答えに詰まると、それだけで評価が下がります。

みなと食品の場合、直近の融資面談で担当者から出た質問はシンプルなものでした。「今期の粗利率は前期からどう変わりましたか」。社長は答えられましたが、隣に同席していたKさんは数字を持っていませんでした。この一件が、講座を受けるきっかけになりました。

落とし穴3、承継のタイミングで判断が止まる

決算書が読めないまま代替わりすると、大きな投資判断や取引先との交渉で判断が止まります。冷蔵車両の入れ替え、倉庫の増設、こうした数百万円単位の意思決定を、感覚だけで下すのは危険です。

財務3表とは何か、さわりだけ

この講座で最初に扱うのが財務3表、つまり損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の3つです。損益計算書は「儲かったか」、貸借対照表は「今どれだけ財産と借金があるか」、キャッシュフロー計算書は「お金がどう動いたか」を表します。

この3つは別々の書類に見えて、実はつながっています。次回以降、みなと食品の実際の数字(架空)を使いながら、このつながりを順番に見ていきます。

実際の改善事例

改善前、みなと食品のKさんは決算書を見ても「利益が出ているらしい」以上の理解がありませんでした。改善策として、実際の自社決算書を使った1対1の講座を月2回、半年かけて実施。第1回はまず財務3表の役割を整理し、「この数字はどの表のどこにあるか」を指させるところから始めました。

半年後、Kさんは銀行面談に自分の言葉で臨めるようになりました。「粗利率が2ポイント落ちているのは、年末の特売強化の影響です」と即答できたそうです。社長は「あのとき答えられなかった質問に、今は息子が答えてる」と話していました。

まとめ

今回のポイントは3つです。

  • 決算書が読めないと、判断が感覚頼りになる
  • 後継者の数字理解は、金融機関からの信用にも直結する
  • 財務3表はつながっている。まずはその役割を知ることから始まる

完璧に理解する必要はありません。まずは自社の決算書を開いて、どこに何が書いてあるか眺めてみることから始めてみてください。

よくある質問

Q. 後継者が数字に苦手意識を持っていても大丈夫ですか

A. むしろそれが前提です。営業や現場の経験があっても、経営の数字は別のスキルとして学ぶ必要があります。

Q. 現社長も一緒に受けたほうがいいですか

A. 講座自体は後継者と1対1で進めますが、社長には進捗を共有します。数字の話を親子で共有できる状態を作ることが目的のひとつです。

Q. 自社の決算書を使うのは抵抗があるのですが

A. 一般論だけの講座では実感が湧きません。実際の数字を使うからこそ、自分ごととして理解が進みます。

この講座、3つのこだわり

最後に、この講座について3つだけお伝えしておきます。

1つ目、完全1対1・対面です。受講者ご自身の会社の、実際の決算書を見ながら進めます。グループ講座では、ここまで踏み込めません。

2つ目、知識を学ぶだけの講座ではありません。「自分が社長ならどう判断するか」を毎回考える、経営判断そのものを疑似体験する形式です。

3つ目、業種・会社ごとに「見るべき数字」を個別に設計します。他社向けのテンプレートをそのまま持ってくることはしません。

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本日は「継ぐ前に知っておきたい、決算書が読めないと起きる3つの落とし穴」というテーマでブログを作成しました。

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