2026.8.4
「決算書、正直よく分からない」――その社長にこそ効くAIの使い方
朝でも昼でもこんばんは。〝次世代経営者育成パートナー〟中小企業診断士の田中 健太郎です。
本日は「決算書が読めない社長でも、AIを使って自社の数字が見えるようになる第一歩」のお話です。最近シリーズでお伝えしているAI活用の話の続きでもあります。私はいつも「決算書は経営の通信簿です」とお伝えしているのですが、その通信簿が外国語で書かれていたら、成績が良いか悪いかも分かりませんよね。じつはそこを橋渡ししてくれるのが、いまのAIなんです。今日は、私が実際に試してみて「ここまでできた、ここは人間が必要」という正直なところも含めてお話しします。
こんな方におすすめ
- 決算書を渡されても、どこを見ればいいのか正直よく分からない
- 税理士さんの説明を聞いても、その場では分かった気になって終わってしまう
- 数字が苦手で、経営判断がどうしても勘と経験に頼りがちになる
- AIが便利らしいのは分かるが、何から使えばいいのか見当がつかない
- 代替わりを機に、先代がやっていなかった数字での経営に踏み出したい後継者・二代目
はじめに
「田中さん、恥ずかしい話、うちの決算書、正直よく分からないんですよ」
経営相談で、声を落としてこう打ち明けてくださる社長さん、本当に多いんです。でも、恥ずかしいことでも何でもありません。決算書はもともと税務署と銀行に見せるために作られた書類で、社長が経営判断に使うようにはできていないんですね。専門用語だらけで読みにくいのは当たり前なんです。だからこそ、その「読みにくさ」をAIに肩代わりしてもらう。今日はその第一歩を、具体的にお話しします。
そもそもAIは、決算書の何をしてくれるのか
難しく考える必要はありません。いまのAI、たとえばChatGPTやClaudeといった対話型のAIは、決算書の数字を「社長の言葉に翻訳する」のが得意です。専門用語を、中学生でも分かる言い回しに直してくれる。しかも、こちらが納得するまで何度でも、あきれずに説明してくれます。税理士さんに同じことを三回聞くのは気が引けますが、AIは何度聞いても嫌な顔をしません。ここが、忙しくて数字が苦手な社長さんにこそ効くポイントなんです。
製造業のC社(従業員20名)の社長は、まさに数字アレルギーの方でした。決算書を開くのも億劫だと。でも試しにAIを使ってもらったら、「これ、通訳がついたみたいですね」と表情が変わったんです。難しい書類が、急に自分ごとになった瞬間でした。
第一歩 まずは「この決算書、小学生でも分かるように説明して」と頼む
最初にやることは、これひとつです。手元の決算書の数字を、対話型AIに打ち込むか、内容を入力して、こうお願いしてみてください。「この決算書を、数字が苦手な社長にも分かるように、やさしい言葉で説明してください」と。
すると、AIは「売上はこれくらいで、そのうち仕入や経費がこれだけかかって、最終的に手元にこれだけ利益が残りました」という具合に、物語のように読み解いてくれます。ここで大事なのは、分からない言葉が出てきたら、その場で「粗利益ってなんですか、小学生に説明するみたいに教えて」と重ねて聞くこと。この「聞き返し」が遠慮なくできるのが、AIの一番のありがたさです。
ひとつ注意があります。決算書には会社の大事な情報が載っていますから、どのAIを使うか、入力した情報がどう扱われるかは事前に確認してください。心配な場合は、社名や取引先名は伏せて、金額だけを入力するやり方でも十分に翻訳してもらえます。
第二歩 「気になる数字ひとつ」だけAIに深掘りしてもらう
全部を一度に理解しようとすると、必ず挫折します。私がおすすめするのは、気になる数字をひとつだけ選んで、そこをAIに深掘りしてもらうやり方です。
たとえば「うちは黒字なのにお金が残らない、なぜ?」と聞いてみる。するとAIは、利益と現金は別モノであること、売掛金や在庫にお金が化けている可能性があることを、あなたの数字に当てはめて説明してくれます。「利益率が去年より下がっているのはなぜ考えられる?」でもいい。ひとつの問いを入り口にすると、数字と数字が経営の実感でつながっていきます。
C社の社長は「在庫」の一点だけをAIに深掘りしてもらいました。すると、決算書上は利益が出ているのに、その利益の大半が倉庫に眠る在庫に化けていると分かった。「毎月これだけ売れているのに現金が増えない理由が、初めて腹落ちしました」と。ひとつの数字を入り口にしただけで、次の打ち手まで見えてきたんです。
第三歩 ここは人間が必要――AIの答えを鵜呑みにしない
ここが、正直にお伝えしたい一番大事なところです。AIはとても優秀な通訳ですが、万能ではありません。使ってみて分かったのは、次の3つは必ず人間の目が要るということです。
- 入力した数字が間違っていれば、AIは間違ったまま、それらしく説明してしまう。数字の入力ミスは人間がチェックする。
- AIは一般論には強いが、あなたの業界の商習慣や地域の事情までは知らない。「この地域の建設業だと、この時期の入金は遅れがち」といった現場の肌感は、社長にしか分からない。
- 最終的に「では、どう手を打つか」という経営判断は、AIではなく社長が下すもの。AIは選択肢を並べてくれますが、決めるのはあなたです。
つまりAIは、決算書を翻訳し、考えるための材料をそろえてくれる相棒です。そこから先の判断は人間の仕事。この線引きさえ押さえておけば、AIは数字が苦手な社長の、とても頼れる味方になります。
実際の改善事例
先ほどのC社は、数字アレルギーで決算書を開くことすら避けていた会社でした。税理士さんの説明も、その場ではうなずくものの、翌日には忘れてしまう。経営判断はほとんど勘だのみでした。
そこで、まず月に一度、決算や試算表の数字をAIに「やさしく翻訳」してもらう時間を10分だけ作ってもらいました。分からない言葉はその場でAIに聞き返す。気になる数字をひとつ深掘りする。ただそれだけです。三ヶ月ほど続けたころ、社長のほうから「今月は粗利が落ちてるけど、あの大口の値引きが効いてるんじゃないか」と、数字を根拠に話が出るようになりました。
社長いわく「数字は税理士さんに任せるもの、と思い込んでいた。AIのおかげで、初めて自分の言葉で自社の数字を語れるようになった。もっと早く知りたかったですよ」と。特別なスキルを身につけたわけではありません。翻訳を任せて、聞き返す。それを習慣にしただけなんです。
まとめ
決算書が読めない社長がAIで数字を掴む第一歩は、この3つです。
- まずは決算書を「小学生でも分かるように説明して」とAIに翻訳してもらう。
- 全部を理解しようとせず、気になる数字ひとつだけを深掘りする。
- 入力ミス・業界事情・最終判断は人間の仕事。AIの答えは鵜呑みにしない。
難しい勉強を始める必要はありません。まずは手元の決算書を一枚、AIに読ませて「やさしく説明して」と頼んでみる。それだけで、これまで外国語だった通信簿が、自分の言葉で読めるようになっていきます。完璧に読めるようになることより、まず一問聞いてみることから始めてみてください。
よくある質問
Q. パソコンが苦手でも使えますか?
A. 使えます。対話型AIは、LINEで人にメッセージを送るのと同じ感覚で、文章で質問するだけです。難しい操作はありません。まずは「決算書をやさしく説明して」と一文打ってみるところからで十分です。
Q. 決算書の数字を入力しても大丈夫ですか?
A. どのAIを使うか、入力した情報がどう扱われるかを事前に確認するのが安心です。不安なら、社名や取引先名は伏せて金額だけを入力しても、翻訳や深掘りは問題なくできます。大事な書類なので、そこは慎重にいきましょう。
Q. 税理士さんに相談するのと、どう使い分ければいいですか?
A. AIは「その場で何度でも聞ける通訳」、税理士さんは「あなたの会社を継続して見てくれる専門家」です。日々の素朴な疑問はAIで解消し、税務や重要な判断は税理士さんに相談する。両方をうまく使い分けるのが一番かしこいやり方です。
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本日は「「決算書、正直よく分からない」――その社長にこそ効くAIの使い方」というテーマでブログを作成しました。
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本日のお仕事
本日は研修リハーサルにほぼ1日を費やす。
- 研修リハーサル
- S社様 KPI数値作成
- L社様 販路拡大のための次回打ち合わせ準備
- Q社様 8月からの研修資料を準備