
2025.9.13
建設業向けDX・AI活用シリーズ 第2回~現場で役立つDX・AIの具体的活用事例~
こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。
経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第2回~現場で役立つDX・AIの具体的活用事例~」と言うテーマで事例っぽい感じのものを中心に書いておきます。
はじめに
近年、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「AI活用」といった言葉が多くの業界で聞かれるようになりました。建設業も例外ではなく、国土交通省が掲げる「i-Construction」や「BIM/CIM推進」など、国をあげた取り組みが進んでいます。しかし一方で、中小規模の建設会社では「うちの会社には難しい」「コストが高そう」「現場で本当に役立つのか?」といった疑問や不安の声も少なくありません。
本シリーズの第1回では、建設業におけるDX・AI活用の「全体像」を整理しながら、現状の課題や背景をわかりやすく解説します。
はじめに
近年、建設業界では人手不足や働き方改革への対応、コスト削減といった課題がますます深刻化しています。その一方で、国土交通省が推進する「i-Construction」や「建設業DX推進計画」などの後押しもあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)とAI(人工知能)の活用が業界の大きなテーマとなっています。
第1回の記事では「建設業DXの現状と課題」を整理しました。今回は一歩進んで、現場で役立つ具体的なDX・AIの活用事例をご紹介します。中小建設業でも取り入れられる実践的な内容に絞って解説します。
1. 施工管理におけるAI・DX活用
■ ドローン×AIで進捗管理を効率化
従来の進捗管理は、現場監督が足で確認し、写真を撮影し、エクセルにまとめる作業が中心でした。これには膨大な時間がかかり、人的ミスも避けられません。
そこで注目されているのが 「ドローン×AI」 です。
- ドローンで現場を空撮
- AIが自動で出来形(盛土や構造物の形状)を解析
- 進捗状況を3Dモデルで可視化
これにより、進捗確認にかかる時間を最大80%削減できたという事例も報告されています。特に土木工事や造成工事では、広範囲の管理に効果を発揮します。
■ 施工写真の自動仕分け
AIによる画像認識技術を活用し、施工写真を自動的に仕分け・分類する仕組みも普及しています。従来は現場代理人が膨大な写真を手作業で整理していましたが、AIを使えば「鉄筋工事」「型枠工事」などに自動タグ付けが可能です。
→ 書類作成業務の効率化につながり、残業削減に直結します。
2. 安全管理におけるAI活用
■ AIカメラで危険行動を検知
建設現場で最も重視されるのは「安全」です。AIカメラを設置し、以下のような危険行動を自動検知する仕組みが広がっています。
- ヘルメット未着用
- 高所作業時の安全帯不使用
- 危険エリアへの侵入
AIがリアルタイムで検知し、現場監督や作業員に通知することで、重大事故を未然に防ぐことが可能になります。
■ ウェアラブルデバイスで作業員を守る
近年では、作業員にセンサー付きのヘルメットやスマートウォッチを装着し、体調や動きをリアルタイムで把握する事例も増えています。
- 熱中症リスクをAIが予測
- 作業員の転倒・転落を検知
- 異常時にはアラートを発報
これにより、労災リスクを大幅に減らすことが期待されています。
また、このデバイスを活用して、ベテラン社員が本社から新人を指導するという使い方もあるかと思います。
3. 原価管理・経営管理のDX
■ エクセルから脱却!クラウド原価管理
多くの中小建設業はまだ原価管理をエクセルで行っています。
しかし、材料費や労務費が日々変動する中、リアルタイムに管理するのは困難です。
そこで活用されているのがクラウド型の原価管理システム。
- 現場ごとの収支を即時に可視化
- 仕掛かり工事の原価を自動集計
- 経営者は 「今、黒字か赤字か」 を瞬時に把握可能
AIを搭載したシステムでは、将来の工事収支を予測し、赤字工事を未然に防ぐことも可能になっています。
■ 請求書・見積書の自動作成
AI OCRを活用することで、請求書や納品書を自動読み取りし、会計システムに連携する仕組みも普及しています。これにより、事務担当者の入力作業を大幅に削減でき、人手不足対策としても有効です。
4. 人材育成とナレッジ共有
■ AIアシスタントで技術伝承
建設業ではベテランの引退が大きな課題です。そこでAIを活用した「技術伝承」の取り組みが注目されています。
- 過去の施工データをAIに学習させる
- 若手社員が「この条件の基礎工事で注意すべき点は?」と質問
- AIがベテランの知見を基に回答
この仕組みにより、属人的なノウハウを会社全体の財産として活用できます。
■ eラーニング×AIで効率的な教育
AIによる個別最適化学習(アダプティブラーニング)を取り入れることで、社員一人ひとりの理解度に合わせた教育が可能になります。特に 施工管理技士の資格取得支援 において効果を発揮しています。
5. 中小建設業が今すぐできるDX・AI活用の第一歩
「ここまで読んで、自社には難しいのでは?」と感じた方も多いでしょう。しかし、小さな一歩から始めることがDX成功のカギです。
■ まず取り組むべきこと
- エクセル業務の効率化
AIを活用した自動集計やマクロで事務作業を削減。 - クラウドストレージの導入
現場と事務所で図面や写真をリアルタイム共有。 - AIチャットボットの活用
「よくある現場質問」をAIに聞ける環境を作る。
■ 補助金の活用
国や自治体は「建設業のDX・AI導入」を強く後押ししています。
- IT導入補助金
- 中小企業省力化投資補助金
- ものづくり補助金
これらを活用すれば、システム導入費の最大2/3が補助される場合もあります。
まとめ
建設業におけるDX・AIの活用は、
- 施工管理の効率化
- 安全管理の強化
- 原価・経営管理の見える化
- 人材育成と技術伝承
といった領域で大きな効果を発揮しています。
中小建設業にとっては「一気に最先端」ではなく、身近な業務から少しずつAI・DXを取り入れることが成功のポイントです。
次回の第3回では、「建設業DX・AI導入のステップと成功のポイント」 をテーマに、導入プロセスをわかりやすく整理していきます。
問い合わせ
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第2回~現場で役立つDX・AIの具体的活用事例~」というテーマで書かせていただきました。具体的かつあまり費用をかけず?に実現できそうな事例らしきものをなべていますので、ひとまずチャレンジできそうなものがあれば幸いです。
ちなみにi-consulting officeでは、これからDXを考えたいけどどうすればいいかわからないという企業向けのDX推進のために従業員に他人事から自分事に考え方を変えてもらう研修を実施しています。
ご興味ご関心のある方はぜひ、お問い合わせください。
お問い合わせページ:https://icon-office.com/contact
Instagram:https://www.instagram.com/i_consulting_office/
LINE公式アカウント:https://lin.ee/xHeD62c
宜しくお願いします。
本日のお仕事
今日はお勉強(仕入れ)の日です。
ただ、いまだにネットワーク研修の資料と補助金セミナーの資料が全然進まない・・・。