
2025.7.30
バリューチェーンモデルとは?企業価値を高める分析手法と活用方法
こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIをテーマとした各種研修講師
- 経営理念策定と浸透・経営理念に基づく人事考課制度策定のご支援
- 補助金・助成金の活用に向けた「申請・計画作成」の助言
経営に関するお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日はマイケル・E・ポーター教授つながりでもうひとつ、バリューチェーンについて書いておきます。11/100
本日のバリューチェーンモデルに関する内容
企業の競争優位性を見極め、業務改善や差別化戦略を導くためのフレームワークとして、**バリューチェーンモデル(Value Chain Model)**は多くの企業で活用されています。
この記事では、以下の点を中心にバリューチェーンモデルを徹底解説します。
- バリューチェーンモデルとは何か?
- 要素(主活動と支援活動)の解説
- メリット・デメリット
- 企業での活用イメージ(活用例)
- 顧客ヒアリング用のプロンプトテンプレート
バリューチェーンモデルとは?
バリューチェーンモデルは、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱したフレームワークです。
企業が製品やサービスを市場に提供するまでの一連の活動を「価値(バリュー)を生む連鎖(チェーン)」として捉え、どの活動が競争優位に繋がるかを分析します。
製造業だけでなく、サービス業、小売業、IT業などあらゆる業種に応用可能です。
バリューチェーンの要素
バリューチェーンは大きく「主活動」と「支援活動」の2つに分かれます。
● 主活動(Primary Activities)
活動名 | 内容例(製造業の場合) |
---|---|
購買物流(Inbound Logistics) | 材料の仕入れ・倉庫管理 |
製造(Operations) | 組立・製造・品質管理 |
出荷物流(Outbound Logistics) | 製品の保管・配送 |
販売・マーケティング(Marketing & Sales) | 広告・販売促進 |
サービス(Service) | アフターサポート・修理対応 |
● 支援活動(Support Activities)
活動名 | 内容 |
---|---|
全般管理(Firm Infrastructure) | 経営戦略・経理・法務など |
人的資源管理(Human Resource Management) | 採用・研修・評価 |
技術開発(Technology Development) | 製品開発・IT投資 |
調達(Procurement) | 原材料や外注先の選定・交渉 |

バリューチェーンモデルのメリット・デメリット
メリット
- ✔ 業務の流れとコスト構造を可視化できる
- ✔ どの活動が価値を生んでいるか分析可能
- ✔ 差別化ポイントの明確化に役立つ
- ✔ 改善余地や無駄の特定に有効
デメリット
- ✘ 初期分析に時間と手間がかかる
- ✘ 定性的な価値判断が必要で、主観に左右される
- ✘ 部門間の壁を越えるためには組織文化の理解も必要
【具体例】バリューチェーンを企業で活用すると?
例:地域密着型の食品メーカー
主活動 | 現状 | 改善施策案 |
---|---|---|
購買物流 | 地元農家からの仕入れで安定調達 | トレーサビリティ導入で安全性を強化 |
製造 | 熟練工による手作業で品質高いが非効率 | 半自動化ライン導入により品質維持+効率化 |
出荷物流 | 自社便で配送コストが高い | 共同配送への切替でコスト削減 |
販売・マーケティング | 店舗販売中心でWEB集客が弱い | ECサイト立ち上げとSNSマーケティング強化 |
サービス | 顧客対応が人任せ | CRM導入による対応履歴管理・フォロー自動化 |
バリューチェーン分析により、「どの部分が競争優位か?」「どこがボトルネックか?」が明確になり、施策の優先順位が見えてきます。
顧客ヒアリングに使えるプロンプトテンプレート
以下は、顧客から必要な情報を引き出すためのChatGPT用穴埋め式プロンプト例です。
#指示
貴社の業務をバリューチェーンモデルに基づいて分析し、改善ポイントと強みを明確にします。以下の質問に答えてください。
#概要
このヒアリングでは、企業の主活動と支援活動について具体的に把握することを目的としています。業務の流れ、使用している仕組み、課題などをできるだけ具体的に教えてください。
#質問事項
■ 主活動について
- 原材料や仕入れ品はどこからどのように調達していますか?
- 製造・サービス提供の流れと特徴を教えてください。
- 出荷・配送はどのように行っていますか?外注していますか?
- 販売やマーケティング活動で力を入れていることは何ですか?
- お客様へのアフターサービスやサポート体制はありますか?
■ 支援活動について
- 社内の経営管理体制や経理、人事はどのように運用されていますか?
- 従業員の採用・教育・評価はどのように行っていますか?
- 製品・サービスにおける技術やノウハウ開発はどのように行っていますか?
- 調達や仕入れ先の選定・交渉プロセスに課題はありますか?
■ その他
- 強みと思う業務や、他社にない特徴は何ですか?
- 現在感じている課題や非効率な部分はどこですか?
#出力形式
以下のような表形式で分析結果を提示してください:
活動分類 | 現状の業務内容 | 強み | 課題・改善ポイント |
---|---|---|---|
購買物流 | 例:○○から一括仕入れ | 地元との信頼関係 | 価格交渉力が弱い |
… | … | … | … |
まとめ:バリューチェーン分析で「儲かる構造」を見抜こう
バリューチェーンモデルを活用することで、企業が「どこで価値を生み、どこで無駄が発生しているか」を明確にできます。
中小企業にとっても、競争力強化の第一歩は自社の価値創出プロセスを可視化することから始まります。
問い合わせ
i-consulting officeでは、競争戦略ポジショニングとバリューチェーンモデルの組み合わせで価値創出するための戦略構築をご支援いたします。
ご興味・ご関心のある方はぜひお問い合わせください。
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