
2025.9.18
建設業DX・AI活用シリーズ 第6回~建設業DX・AI活用の未来展望~
こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング
といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。
経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第6回~建設業DX・AI活用の未来展望~」と言うテーマで書いておきたいと思います。建設業の事業者が生き残っていくためにDXや生成AIを未来に向けてどのように使っていくべきかをわかっていただけたら嬉しいです。
はじめに
本シリーズでは、建設業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とAI活用について、現場改善から経営支援、業務連携まで幅広く解説してきました。最終回となる今回は、「建設業DX・AI活用の未来展望」をテーマに、これからの建設業界がどのように変化し、どのような技術や取り組みが重要になるのかを考えていきます。
2024年以降、生成AIやSLM(Small Language Model)、BIM/CIMの普及、ドローンやIoTの進化が急速に進んでおり、建設業は「人手不足を補うためのDX」から「生産性と付加価値を高めるDX」へとシフトしつつあります。
1. 建設業界を取り巻く課題とDXの必要性
まず、未来展望を語る前に、現状の課題を整理してみましょう。
- 人手不足・高齢化
技能者の平均年齢は40代後半に達し、若手人材の確保が難しい状況です。 - 生産性の低さ
日本の建設業は先進国の中でも労働生産性が低く、業務の属人化や紙文化が根強く残っています。 - 法規制・環境対応
カーボンニュートラルや働き方改革関連法に対応するための取り組みも求められています。
これらの課題を乗り越えるために、DXやAI活用は「選択肢」ではなく「必須条件」となりつつあります。
2. 生成AI・SLMがもたらす建設業の変革
ChatGPTをはじめとした生成AIはすでに多くの現場で試行されていますが、今後はさらに用途が広がります。
- 施工計画の自動作成
施工手順や必要資材を自動で提案し、最適化した工程表を生成AIが作成。 - SLMによる現場専用AI
建設現場の専門用語や社内データを学習させたSLMを導入することで、自社専用の「現場AI秘書」が実現。安全管理や日報作成を大幅に効率化できます。→これは本当におススメ! - 設計レビューの高度化
BIMデータとAIを連携させることで、設計段階からコスト削減・環境負荷低減を提案可能に。
特にSLM(Small Language Model)は、大規模AIと比べて軽量で扱いやすく、オンプレミス導入や低コスト運用が可能なため、中小建設会社にも普及が期待されます。
3. BIM/CIMとAIの融合
国土交通省が推進するBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)は、2025年以降、公共工事での標準化がさらに進みます。ここにAIが加わることで、次のような変革が生まれます。
- 設計から維持管理までのデータ一元化
AIがBIMデータを解析し、維持管理やリニューアル時のシミュレーションを自動化。 - 現場進捗の自動監視
ドローンやIoTセンサーから得た進捗データをBIMモデルに反映し、リアルタイムで「デジタルツイン化」。 - コスト・環境インパクトの最適化
材料選定や工程の違いによるCO₂排出量をAIが自動計算し、最適な選択肢を提示。
BIM/CIMとAIの融合は、まさに「設計から解体までのライフサイクル管理」を実現する大きなカギです。
4. 現場DXの未来:IoT・ロボティクス・ドローン
建設現場のDXは、AI単体ではなくIoTやロボティクスとの連携でさらに進化します。
- ドローン測量の自動化
従来3日かかった測量を数時間で完了。AI解析により精度も向上。 - ロボット施工の普及
鉄筋結束・溶接・塗装といった単純作業を自動化し、技能者不足を補完。 - ウェアラブルデバイスによる安全管理
作業員のバイタルをリアルタイムで監視し、熱中症や事故を未然に防止。 - クラウド連携による現場可視化
現場の進捗・品質・コストがクラウド上で共有され、経営層が即時判断可能に。
これらの技術は「現場を無人化する」ことが目的ではなく、人とAI・ロボットが協働する新しい現場をつくることが目的です。
5. 経営DXの未来:AIによる意思決定支援
経営面でもAIの活用は広がります。
- 原価管理の自動化
現場データを即時集計し、AIが「予定 vs 実績」を分析。損益の見える化が容易に。 - 資金繰り・キャッシュフロー予測
お金のブロックパズルをAIに学習させ、資金ショートのリスクを早期警告。 - 受注戦略の最適化
過去の入札データを分析し、勝率が高い案件や利益率の高い分野を自動提案。 - 人材配置の最適化
作業効率や技能レベルをAIが分析し、最適な現場チームを編成。
経営者にとってAIは「判断を代替するもの」ではなく「経営の意思決定を強力にサポートする参謀」として機能します。
6. 中小建設会社に求められる未来戦略
大手ゼネコンだけでなく、中小建設会社もDX・AI活用の波に備える必要があります。特に以下の3点が重要です。
- 小さなDXから始める
Excel自動化、日報の音声入力、AI議事録など、身近な業務改善から着手する。 - 社内データを資産化する
過去の施工データ、原価情報、顧客情報を整理し、AI学習に活用できる状態に。 - 外部パートナーとの連携
SIerやコンサルタント、地元大学などと連携し、自社単独では難しいDXを推進。
7. 未来の建設業像
最後に、DXとAIが進んだ未来の建設業をイメージしてみましょう。
- 現場では
ドローンが測量し、ロボットが施工、AIが安全を監視。作業員は「監督者・協働者」として働く。 - 事務所では
AIが自動で原価・進捗レポートを作成し、経営者はスマホからリアルタイムに確認。 - 顧客との関係では
BIM/CIMデータを用いた「見える化」により、施主が設計段階から納得感を持てる。 - 社会全体では
建設業が環境負荷低減やスマートシティ実現に大きく貢献し、「社会インフラの担い手」から「未来社会の創造者」へと進化。
まとめ
本記事では、建設業DX・AI活用の未来展望を紹介しました。
- 生成AI・SLMによる業務効率化
- BIM/CIMとAIの融合によるライフサイクル管理
- IoT・ロボット・ドローンによる現場DX
- AIによる経営意思決定支援
- 中小企業に求められる3つの戦略
建設業は今、大きな変革期を迎えています。DXとAIを活用することで、人手不足や生産性の課題を乗り越え、「効率化と付加価値創造を両立する未来の建設業」を実現することができるでしょう。
問い合わせ
本日は「建設業向けDX・AI活用シリーズ 第6回~建設業DX・AI活用の未来展望~」というテーマで書かせていただきました。個人的にはSLMの技術を理解しておくことは今後非常に役に立つのではないかと思います。
ちなみにi-consulting officeでは、これからDXを考えたいけどどうすればいいかわからないという企業向けのDX推進のために従業員に他人事から自分事に考え方を変えてもらう研修を実施しています。
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宜しくお願いします。
本日のお仕事
本日は、Oムタ市までお仕事に行きました。
経営診断のお仕事です。こちらも資料の準備が追い付いてません。改めて今後の作業を整理しておきたい。
・Y社 経営診断書の作成
・補助金セミナーのリハーサル
・ネットワーク研修のリハーサル
・RPAセミナーの資料作り
・L社のプレゼン資料チェック
・Pythonの学習
・T社 財務分析資料作成&後継者育成勉強会資料作成
・生成AIの学習 GPTsとDifyの開発
うーん、改めてみるとかなりハードなスケジュールだなと、しんどい・・・。