【研修レポート】数字で経営を語る!運送業のための「企業価値を上げる財務管理」2日間集中講座

こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。

そんな私の提供できるサービスを考えてこんな経営者に出会いたいと考えています。

  • DX推進/生成AI活用を社内に取り入れたいが何から始めていいかわからない
  • 経営数字を使った根拠ある経営判断をしたい。
  • 自社の強みを見直し、根拠のある経営計画を作成したい。
  • 採用・定着を実現するための理念策定・浸透を行いたい。

といろいろ書いてますが、経営に関するお困りごとは気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!

本日は、「【研修レポート】数字で経営を語る!運送業のための「企業価値を上げる財務管理」2日間集中講座」という前回に引き続き財務に関する研修についてレポートを書いておきます。
今回は、個別企業様向けとして運送業様向けに実施した内容です。

🚚こんな方におすすめ

  • 運送業・倉庫業で数字に基づいた経営判断を行いたい方
  • 「黒字なのに現金が足りない」「利益が出ても資金が増えない」と感じている方
  • 財務諸表を“感覚ではなく根拠”で理解したい経営者・管理職の方
  • 現場と財務をつなげ、稼ぐ力・残す力を高めたい方

1日目:財務三表を理解し、数字で経営を語れるようになる

本研修は、運送・倉庫業を中心に「財務の見える化」と「意思決定力の強化」を目的として2日間にわたり実施されました。
初日は「財務三表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)」の基礎を、運送業の現場に即した形で学びました。

📘財務管理とは?

まず押さえたいのは、「会計管理」と「財務管理」は違うという点です。
会計管理は“過去の数字を記録すること”、一方で財務管理は**“お金の流れをコントロールし、未来の経営をつくること”**。
財務管理の目的は、

  • 企業価値の最大化(収益性の向上)
  • 資金繰りの安定化(安全性の確保)
  • 投資の最適化(効率性の追求)
    にあります。

運送業では、売上の多くが掛け取引で、入金まで60日程度かかるケースも珍しくありません。
だからこそ「売上が上がっているのにお金が足りない」という“黒字倒産リスク”がつねにつきまとうのです。


損益計算書(P/L)で利益の構造をつかむ

損益計算書(P/L)は、一定期間における経営成績を表す「フロー」の情報です。
特に運送業において注目すべきは「売上原価」の中身。
燃料費・人件費・外注運賃の3つでコストの6〜7割を占めるため、
これらを的確に管理できるかどうかが“利益率の命運”を分けます。

グループワークでは「燃料費が急騰した場合にどんな手を打てるか?」「外注費の見直しをどのように行うか?」などを議論。
現場のリアルな悩みを共有しながら、コストの構造を“数字で見える化”する力を鍛えました。


貸借対照表(B/S)で会社の“体力”を把握する

貸借対照表は、ある時点での企業の財政状態を示す「ストック情報」です。
研修では、資産・負債・純資産の関係を整理しながら、
「何にお金を使い、どのように調達しているか」を読み解きました。

運送業では、トラックなどのリース債務や前受運賃、燃料の未払金など、
他業種と異なる項目が多く登場します。
それらを理解することで、会社の資金繰りリスクをより正確に把握できます。


キャッシュフロー計算書(C/F)で“お金の動き”を読む

利益が出ているのに現金が減っている――
この原因を理解するには、キャッシュフロー計算書が欠かせません。

営業活動・投資活動・財務活動の3つに分けて「現金の出入り」を分析することで、
黒字倒産を防ぐための“経営の感覚”を身につけました。

💡損益計算書は「利益の流れ」、
💡キャッシュフロー計算書は「お金の流れ」
この違いを理解できると、財務は一気に身近なものになります。


2日目:投資判断・資金繰り・経営計画を数字で考える

2日目は、財務分析の実践と、数字を使った経営判断力の強化がテーマ。
前日の復習を踏まえつつ、運送業に特有の財務課題を掘り下げました。


💸資金繰り表で“未来の資金ショート”を防ぐ

運送業の多くは、入金が月末集中型である一方、支払い(燃料・人件費・外注費)は月中に発生します。
この“入出金のタイミング差”こそ、資金ショートの原因です。

研修では資金繰り表を用いて、「いつ・どこで・どのくらいお金が不足するか」を可視化。
支払サイトや入金条件の調整、借入の検討など、具体的な改善策をチームごとに検討しました。


⚙運送業特有の課題をどう解決するか

講義では、運送・倉庫業ならではの財務課題にも焦点を当てました。

  • 燃料費の変動リスク → 原油スワップなどのヘッジ取引で固定化
  • 傭車・外注費の多重構造 → 自社稼働率の改善で利益率アップ
  • 減価償却費の増加 → 定率法/定額法の選択で節税効果を検討
  • 倉庫リースの処理 → IFRS基準でのオンバランス化対応

「現場の数字が経営にどうつながるか?」を具体的に学び、
“財務=経営判断のツール”であることを体感してもらいました。


📈ROI(投資利益率)で投資の妥当性を判断

トラック購入や倉庫設備投資など、運送業は設備負担が大きい業種です。
そこで登場したのが「ROI(Return on Investment)」という指標。
投資に対してどれだけの利益を生み出したかを示す数値で、
“買うか、やめるか”の判断を数値で裏付けることができます。

参加者からは「トラック1台のROIを計算してみたら、思った以上に低かった」という声も。
投資判断を感覚でなく数字で行う意識が芽生えました。


🧮損益分岐点分析で“最低限の売上”を知る

「利益が出るラインはどこか?」を明確にする損益分岐点分析も実施。
固定費・変動費・限界利益の関係をグラフで可視化し、
“あといくら売上を上げれば黒字になるか”を具体的に算出しました。

この手法を覚えることで、新規事業の採算判断や価格設定にも応用できます。


🧭財務分析で“数字の裏にある経営”を読む

財務諸表の分析では、収益性・安全性・生産性・成長性の4つの観点から企業を評価。
実際の物流企業2社を比較しながら、
「どちらが効率的に利益を生み、どちらが安定した経営をしているか」を議論しました。

特に印象的だったのは、現場のKPI(稼働率・実車率・坪効率)を財務指標と結びつける演習。
単なる数字の分析ではなく、“現場で動くお金”を財務で説明する力を養いました。


💡お金のブロックパズルで経営を「見える化」する

研修の後半では、「お金のブロックパズル」を使った財務シミュレーションを体験。
売上・粗利・固定費・利益・税金・返済・設備投資・繰越利益など、
会社のお金の流れを“ブロック”として可視化することで、経営の全体像を一目で把握できます。

🔍演習テーマ例

  • 値上げを10%行ったら、利益と人件費はどう変化する?
  • 燃料費が10%上昇した場合、いくら値上げすれば同じ利益を維持できる?
  • 研修費を10上げたら、売上はいくら必要?

このように、「経営判断を数字で検証する」実践的なトレーニングを行いました。
多くの参加者が「利益=自由に使えるお金ではない」という気づきを得ていました。


📊財務計画づくり:数字で未来を描く

最後のパートでは、実際に自社の数値を使って目標売上高を設計するワークを実施しました。
「繰越利益を200万円確保したい」「借入返済は年100万円」「粗利率30%」といった条件から、
必要な売上高を“逆算”して算出します。

固定費 → 利益 → 粗利 → 売上という順に積み上げていくこのプロセスにより、
「根拠のある目標設定」が可能になります。

売上を“追う”経営から、
売上を“設計する”経営へ。

この考え方こそが、財務研修の最大の成果でした。


🎯まとめ:数字で語る運送経営へ

人手不足、燃料高騰、物流の小口多頻度化――。
運送業を取り巻く環境は、これまで以上に複雑になっています。

そんな中で必要なのは、“数字に強い経営力”です。
損益計算書で利益構造を理解し、
貸借対照表で体力を把握し、
キャッシュフローで資金を守る。
そして、お金のブロックパズルで未来を設計する。

本研修を通じて参加者が得たのは、単なる会計知識ではなく、
「数字を使って現場を動かす力」でした。

「数字を見て、考えて、動ける会社」こそが、
これからの運送業界で生き残る企業です。

お問い合わせ

本日は「【研修レポート】数字で経営を語る!運送業のための「企業価値を上げる財務管理」2日間集中講座」というテーマで研修内容を書かせていただきました。
とてもまじめに受講してくださったお客様には感謝です!
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本日のお仕事

・就労支援コンサルティングの報告会に向けての資料作成
・経営支援コンサルティング企業向けの資料作成
今日は資料作成ばかりでやった気になっているけどここ3日ほど何もしてないのでヨシとしよう!

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