
2025.9.30
生成AI・DX実践Tips 第9回 ~エージェントモード×Power Automateで実現する次世代自動化~
こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。
私は「社長も社員も、働くことが楽しいと思える会社づくり」
をお手伝いすることを使命に、中小企業の経営支援を行っています。
具体的には、次のようなテーマを中心にサポートしています。
- クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
- お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
- 業務デジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
- DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AI活用のご提案・導入支援
- 補助金申請支援
と書くと幅広いのですが、前職がIT企業のため最近は特に
「DX・AIをテーマにした研修講師」
として活動する機会が増えています。
経営に関するお困りごとや、従業員育成に関心をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
当社は「わかりやすく、具体的に」をモットーに、経営の現場ですぐに役立つ支援を心がけています!
本日は「生成AI・DX実践Tips 第8回~エージェントモード×RPA~」という前回のテーマからより個別具体的に「生成AI・DX実践Tips 第9回 ~エージェントモード×Power Automateで実現する次世代自動化~」というかなり個別のアプリケーションに言及した内容にしています。
はじめに
従来のRPA導入は「決まった手順を機械的に繰り返す」ことが中心でした。しかし実務では、必ずしもルール通りにいかないケースや、ユーザーへの追加確認が必要な場面も少なくありません。
そこで注目されるのが、生成AIのエージェントモードとPower Automate(特にPower Automate Desktop)との組み合わせです。
AIが「人のように指示を解釈」し、Power Automateが「PC操作を正確に実行」することで、より柔軟な業務自動化が可能になります。
エージェントモードとPower Automateの役割分担
- AIエージェント(ChatGPT エージェントモード)
- ユーザーから自然言語で依頼を受ける
- 曖昧な依頼を整理し、Power Automateに渡せる形式に変換
- 入力不足や確認が必要な場合はユーザーに質問して補完
- Power Automate(特にDesktopフロー:PAD)
- Excel集計やシステム入力、Webスクレイピングなど定型的な操作を自動化
- クラウドフローと組み合わせることで、AIからの指示を即時に実行
この役割分担により、従来は人が対応していた「指示の解釈」や「例外処理」も自動化プロセスに含められます。
実際の連携アーキテクチャ
Power Automateを活用する場合、代表的な連携方法は2種類あります。
1. ファイルトリガー連携(初心者におすすめ)
- ChatGPTエージェントが依頼内容をExcelやCSVに出力
- Power Automateクラウドフローで「ファイルが作成/変更されたとき」(OneDriveやSharePointのトリガー)を利用
- クラウドフローから「Run a flow built with Power Automate for desktop」アクションでPADフローを起動
- PADがExcelを読み取り、請求書作成やデータ入力を自動処理
➡ PAD単体には監視機能がないため、必ずクラウド側のトリガーを介す点がポイントです。
2. Webhook(HTTPリクエスト)連携
- ChatGPTエージェントがWebhookでJSONを送信
- Power Automateクラウドフローの「When a HTTP request is received」トリガーで受信
- JSONを解析し、必要な項目(顧客名、金額、期日など)を抽出
- PADフローを呼び出して自動処理を実行
- 処理結果をクラウドフロー経由でエージェントに返却
➡ 即時性が高く、スムーズな双方向連携が可能です。
設定手順の具体例
ここでは「請求書作成をAI経由で依頼 → PADが自動生成する」例を紹介します。
Step1:ChatGPTエージェントの設定
- GPTs(カスタムGPT)を作成し、「請求書依頼係」の役割を付与
- 出力をJSON形式に統一(例)
{ "action": "create_invoice", "customer": "株式会社サンプル", "amount": "150000", "due_date": "2025-10-31" }
Step2:Power Automateクラウドフローの準備
- トリガーに 「When a HTTP request is received」 を設定
- JSONスキーマを定義し、顧客名・金額・期日を解析
- アクション 「Run a flow built with Power Automate for desktop」 を追加
- 解析したデータを引数としてPADフローに渡す
Step3:Power Automate Desktop(PAD)の設定
- Word請求書テンプレートを開くフローを作成
- 渡された顧客名・金額・期日を入力欄に差し込み
- 請求書を保存し、PDF化
- 結果ファイルを共有フォルダやメールで送信
実務導入時のポイント
ライセンス注意
- PADのインストールや手動実行はWindowsユーザーなら無償で可能
- ただし、クラウドからの呼び出しや無人実行(unattended)にはPower Automate Premiumなどの有償ライセンスが必要です
セキュリティ
- HTTPリクエストトリガーは認証を有効化し、無制限アクセスを防止
- APIキーや認証情報はKey Vaultや環境変数で安全に管理
ログ管理
- AIが受け取った依頼内容とPADの実行ログを紐づけて記録
- 監査やトラブルシュートに活用可能
スモールスタート
- まずは「請求書作成」「Excel集計」などシンプルな業務から導入
- 成功体験を積み重ねて徐々に範囲を広げる
今後の展望
MicrosoftはCopilot Studioを強化しており、エージェントが自然言語で指示を理解し、直接Power Automateフローを呼び出せる仕組みが標準化されつつあります。
さらに、AIによるGUI操作自動化(Computer Use)の開発も進んでおり、将来的には「AIが直接アプリを操作して業務を完結させる」世界が現実になります。
まとめ
本記事では、エージェントモードとPower Automate(特にPAD)の連携方法を解説しました。
✅ ChatGPTエージェント:依頼の解釈・整形・例外処理
✅ Power Automateクラウドフロー:トリガー処理・PAD呼び出し
✅ Power Automate Desktop:実際のPC操作(Word/Excel/ブラウザ)を実行
✅ 注意点:クラウド呼び出しや無人実行は有償ライセンスが必要
中小企業でも、小さな自動化から導入すれば十分に実現可能です。
まずはExcelや請求書関連業務など、身近なタスクから始めてみましょう。
問い合わせ
本日は「生成AI・DX実践Tips 第9回 ~エージェントモード×Power Automateで実現する次世代自動化~」というテーマで少し具体的に書いたので実装のお手伝いになればと思います。
i-consulting officeでは、エージェント機能導入のお手伝いもさせていただきます。
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懸念だったRPAセミナーの締め切りが1週間先だった。良かった~。間に合わないかと思った。と言う話。