攻めのAI活用シリーズ 第1回:攻めのAI活用とは?~守りと攻めの違いを徹底解説~

こんばんは。i-consulting office(アイ・コンサルティング・オフィス)の田中健太郎です。

社長も社員も働くことが楽しいと思える会社づくりのお手伝いをモットーに
中小企業の経営支援を以下の内容を中心に行っています。

  • クロスSWOT分析を活用した「積極戦略」の構築支援
  • お金のブロックパズルによる「キャッシュフロー経営」のサポート
  • 業務のデジタル化支援を通じた「生産性向上」コンサルティング
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)・生成AIコンサルティング

といろいろ書いてますが、最近はもっぱら
”DX・AIを中心にした研修講師”が主な業務です。

経営に関するお困りごと、従業員育成に興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「わかりやすく、具体的に」を意識して、経営の現場に即したご支援を心がけています。

本日は「攻めのAI活用シリーズ 攻めのAI活用シリーズ 第1回:攻めのAI活用とは?~守りと攻めの違いを徹底解説~」と言うテーマで書いてみます。そもそもDXにおいても攻めのDX、守りのDXという言い方がありますが、AI活用においても同じような意味合いで使ってもいいんじゃないかと思います。

はじめに

近年、生成AIやChatGPT、Microsoft Copilotなどの登場により、AIの活用は中小企業にとっても身近なものになってきました。
しかし実際には「AIは便利そうだけど、何から始めたらいいかわからない」という声をよく耳にします。

そこで本シリーズ「攻めのAI活用」では、全5回にわたって “攻め”のAI活用で企業成長につなげる方法 を解説していきます。
第1回となる今回は、まず「攻めのAI活用とは何か」を明確にし、「守りのAI活用」との違いを整理した上で、実際にAIで新規顧客を獲得した事例をご紹介します。


1.守りと攻めのAI活用の違い

AI活用を考えるとき、まず押さえておきたいのが「守り」と「攻め」の切り分けです。

守りのAI活用

守りのAI活用とは、 業務効率化やコスト削減を目的にAIを導入する使い方 です。
代表的な例としては以下のようなものがあります。

  • 会議議事録の自動要約(時間短縮)
  • 経理業務の自動仕訳(人件費削減)
  • 社内FAQチャットボット(問い合わせ対応の効率化)

守りは「いまある仕事をより楽に、より安くする」ことがゴールです。
これは企業経営において非常に重要ですが、残念ながら“売上を直接伸ばす”ことにはつながりにくい側面があります。

攻めのAI活用

一方で攻めのAI活用とは、 売上拡大や新規顧客獲得といった「成長」に直結するAIの使い方 を指します。

例えば次のような活用が挙げられます。

  • AIを使って新規ターゲット顧客向けの提案資料を短時間で作成
  • SNS運用にAIを取り入れてフォロワー増加 → 見込み客獲得
  • WebサイトのSEO記事をAIで量産し、新規リードを獲得
  • AIによる需要予測を活かした新商品開発

守りが「コスト削減」なら、攻めは「売上アップ」。
両方のバランスが大切ですが、中小企業が成長を目指すなら「攻めのAI活用」が不可欠です。


2.攻めのAI活用の全体像

攻めのAI活用は、単に「ChatGPTを触ってみた」というレベルでは成果が出ません。
重要なのは 経営戦略に基づいたAI活用の設計 です。

攻めのAI活用は大きく以下の3ステップで考えると整理しやすいです。

  1. 顧客接点の拡大
    • SNS、ブログ、動画、広告にAIを活用
    • 例:AIによるSEO記事の自動生成で集客
  2. 提案・営業の強化
    • 提案資料、営業メール、プレゼンをAIで強化
    • 例:顧客ごとに最適化した提案資料をAIで短時間作成
  3. 新規事業・商品開発
    • AIで市場分析やアイデア発想を効率化
    • 例:口コミデータをAI分析し、潜在ニーズを発掘

この3つを組み合わせることで、AIは単なる便利ツールではなく、 企業の成長エンジン となります。


3.事例紹介:新規顧客獲得にAIを活用した企業

以下は実際に報じられている国内企業による、AIを活用した新規顧客獲得や営業強化に寄与した事例です。

事例①:サイバーエージェントによる広告効率の大幅改善

広告事業を手がけるサイバーエージェントは、AIタレントを広告に起用する取り組みで成果を出しています。CPA(顧客獲得単価)の201%改善、CTR(クリック率)の396%改善という劇的な結果を報告しています。これにより、広告による新規ユーザー獲得が高効率化されました。

事例②:エッジテクノロジー「GeAIne」で営業効率化とリスト精査

エッジテクノロジーが開発したAIツール「GeAIne」は、営業メールの自動生成と顧客ターゲットの選定を支援します。約69万社のデータベースを活用し、反応のよい企業に絞って提案文を送ることが可能です。A/Bテストによる精度改善にも対応し、アポイント獲得効率が向上しました。

事例③:日立のAIによるスマートセールス支援

日立は営業データをAIで分析し、成約率の高い営業活動パターンを抽出。「どの顧客に、いつ、どのようなアクションが効果的か」などをAIが提示する仕組みを導入しています。新規顧客開拓やクロスセル・解約阻止にAIが貢献する事例となっています。

事例④:星野リゾートでのCRM強化による顧客接点改善

星野リゾートでは、ブライダル部門の顧客管理にZoho CRMを導入し、AI活用で顧客接点の共有を効率化。タイムリーな対応が可能になり、顧客の取りこぼし防止に寄与しました。結果として成約機会を逃さない営業体制を構築しています。

上記の事例は大企業ばかりで申し訳ありません。中小企業の事例を大量につくることこそ、
中小企業診断士がやらないといけない事ですね😓


4.中小企業が攻めのAI活用を始める第一歩

「うちにはAIを導入する余裕なんてない」と思う中小企業経営者も多いですが、攻めのAI活用は小さな一歩から始められます。

具体的な取り組み例は以下の通りです。

  • AIに顧客ターゲット像を作らせる
    → マーケティング施策の精度を高める
  • 営業メールや提案文をAIでドラフト化
    → 営業担当は仕上げに集中できる
  • ブログやSNS投稿のたたき台をAIに依頼
    → 更新頻度を上げ、新規顧客接点を広げる

大切なのは「攻めの視点」、つまり “どう売上につながるか” を意識すること です。


5.まとめ

本記事では、第1回として「攻めのAI活用とは何か」を解説しました。

  • 守りのAI活用=効率化・コスト削減
  • 攻めのAI活用=売上アップ・新規顧客獲得
  • 攻めの全体像=①顧客接点拡大 ②営業強化 ③新規事業開発
  • 実在事例でも、AIは新規顧客獲得や契約数増加に直結している

次回は「営業・マーケティングでの攻めのAI活用」として、実際にどのようにAI活用すれば成果が出るのかを整理していきます。

本日のお仕事

本日は生成AIの研修を受講しに、隣の県まで行ってました。
いろいろなプロンプトなどの教えてもらいつつ、どのようにお客様に価値を提供できるのかを考えさせられる内容でした。あと、ChatGPTでグラフの文字化けを防ぐ方法もありがたかった。
というわけで、本日は
・生成AI研修受講(今日は講師ではなく、受講側)
・ネットワークに関する研修資料の作成(これがなかなかよいカリキュラムが浮かばない!)
・明日のL社の準備
・水曜日の財務研修に向けての準備など

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