2023.8.12
SWOT分析を学ぼう③”機会”分析
こんにちはi-consulting officeの田中です。
前回に引き続きSWOT分析についてご説明していきたいと思います。
本日のテーマは”機会”についてです。
SWOT分析における”機会”とは何か?
SWOT分析は、企業やプロジェクトの強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を評価するためのフレームワークです。ここでの「機会(Opportunities)」は、外部の環境や状況から生まれる、利益を上げるための可能性やチャンスを指します。
例えば、高校生にもわかるように皆さんに馴染みのあるスマートフォンを考えてみましょう。初めてスマートフォンが登場したとき、それは多くの企業にとって大きな「機会」でした。なぜなら、新しいアプリやサービスを開発することで、新しい市場や顧客を獲得するチャンスが生まれたからです。
また、例として新しい流行やトレンド、技術の進歩、法律の変更なども「機会」として捉えることができます。最近だとChatGPTなどのAIツールが対象になるかと思います。こうした変化や動きをうまく利用することで、企業やプロジェクトは成功への道を拓くことができるのです。
簡単に言えば、「機会」は「これからのチャンスや好機」と考えることができます。外の世界で起こっている変化や動きをしっかりとキャッチして、それを自分たちの利益に変える方法を考えることが大切です。
いわゆる「外部環境」という言い方をすることが多いかと思います。
当社では上記の流行やトレンド、技術の進歩、法律の変更ではなくあくまでお客様の商品・サービスに絞った形での”機会”、これからのニッチ分野や費用を払うニーズを深堀りしていく形をとるようにしています。したがって、一般的な機会分析とは少々ことなっているやり方かと思います。
具体的にどのような”機会”をあぶりだすのか?
当社では前述の通り、いわゆる「外部環境」、世の中の流れではなく中小企業のお客様向けにこれからのニッチ分野や顧客が費用を払ってもいいと思われるニーズを深堀することに注力しています。
具体的には以下のようなポイントをヒアリングしています。
1.B,Cランクの顧客の具体的なニーズ
めったに購入してくれないお客様がぽろっと発したニーズや日頃あまり取引のない顧客が少量、臨時の購入で自社に来た場合など、なぜ、そう言われたのか?なぜ当社で買おうと思ったのか、その理由は何なのか?を抑えることで新たなニーズが見つかるかもしれません。
2.予期せぬ成功・新たな可能性
当社の商品・サービスを「まさか、そんな使い方をしているとは・・・!」や「そういうアイディアを顧客が持っているとは知らなかった・・・!」など顧客の具体的な利用方法を知ることで新たな商品・サービス開発のヒントになるかもしれません。
3.既存客・新規客・見込客が利用する上でいらだっていること(困っていること)
なぜ、そこまで時間がかかるのか?なぜ、そんなに高いのか?と言われる不満を解消できないか?どこも対応していないから仕方なく顧客が諦めている事など、顧客のお困りごとを解消できる商品・サービスを考えることは重要です。
4.そこまでは要求しないから、もっと低価格のニーズ(商品・サービスをそぎ落とす!)
過剰なスペックの商品・サービスはいらないからもう少し安くできないか?もちろん、スペックやサービスを減らしても顧客が喜んでくれるなら、低価格化も一つの考え方になります。特に今はなんでもかんでも値上げの時代に突入しているため、自社の利益が確保できる範囲での低価格化はありかもしれませんね。
5.お金は払うからもっとここまでしてほしい高価格ニーズ
顧客が困っていることに適応するなら高くても買うというニーズはあるか?もしくはこのような顧客ならここまで高スペック、高品質の商品を買ってくれるだろうという想定ができるものはあるか?単なる値上げではなく、より良い商品・サービスにすることを意識することが必要だと思います。
6.こんな商品あったら買いたい・こんな企画ならいけそうというニーズ
このターゲット顧客なら喜びそうな商品とはなんでしょうか?単純に商品だけでなくイベント・販促・企画・アフターサービスなども含めて考えましょう。
7.他社がやっている企画・商品で真似したいこと
あの同業者のあの商品の類似品なら提供できる?二番煎じでも売れそうな商品とターゲット顧客の設定を考えてみましょう。
8.知り合い(同業者・関係先・仕入先・コンサル・税理士等)から聞いた”善意”の提案
直接の顧客以外から聞いた新たな提案、新たな気付きの善意の提案は何があるか?顧客ではない周りの人の提案を聞いてみましょう。
9.その他、新しいビジネスモデルでの要望
コロナ禍で生まれた新たなニーズ(非対面、非接触等)やこれからの顧客が求める商品・サービスはなにかを考えてみましょう。
お客様へ:SWOT分析の”機会”を考える場合の注意点
ここでの重要なポイントはあくまで「事実」ベースで考えていただくこと、そして自社の売上につながりそうなことを考えていただくことだと思います。
機会分析でよくあることは○○は売れそうだというようなお話を伺うことが多くありますが、実際にはそれは誰が言ったのか?本当に顧客が言ってくれた要望なのか?と思うことがあります。
したがって、顧客や外部の関係者などに本当に言われたことなどを中心に考えていただく必要がありますのでご注意ください。
お客様へ:SWOT分析の”強み”をお話していただく場合の注意点
重要なポイントは自分たち(自社)では当たり前と思われることも外部の人間からしたら、
「それって、すごいことじゃないの?」と思える内容が必ず見つかることです。
したがって、SWOT分析を行う場合は小さなことでもお話していただくことが重要かと思います。
また、SWOT分析を行う場合は一人で行うのではなく、客観的に話を聞いてもらえる相手がいたほうが意外な”強み”を発見できるかと思います。
本日は以上です。次回は「弱み」分析についてお話します。
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2023年8月12日(土) 本日の予定
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